放置された男性の遺体は一部が白骨化 2カ月半、福祉事務所で何が
東京都江戸川区の荒川近くの住宅街、高架下の幹線道路から角を二つ曲がった路地脇に、2階建てのアパートが立つ。6月中旬、記者が訪ねると、近くの鉄橋から顔を出す東京メトロ東西線のガタゴトという音が木造の建物を揺らしていた。
この1階の6畳間で今年1月10日、生活保護を受給する男性(当時65)が倒れているのが見つかった。男性は一人暮らし。不自由な足を引きずるようにして買い物袋やゴミ袋を運ぶ姿を、近くの住民が目にしている。
「介護ヘルパー以外、部屋を出入りする人を見たことがない。携帯電話も持っていなかった。孤独だったと思う」。近所の人はこう話す。
区の発表によると、介護ヘルパーから連絡を受けたクリニックの医師が男性の死亡を確認。クリニックはその日のうちにケースワーカー(CW)として男性を担当する区福祉事務所の20代主事に連絡した。主事を通じて死後の手続きが取られた、はずだった。
ところが、男性の遺体はこの後約2カ月半にわたって放置されることになる。
東京都江戸川区で、生活保護受給者の高齢男性が亡くなったにもかかわらず、福祉事務所内で必要な手続きが取られず、遺体が2カ月半にわたって放置されていました。超高齢化による「多死社会」を迎えるなか、公的ケアの担い手をめぐる重い課題が浮かび上がっています。
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区によると、この主事が福祉…
- 【視点】
亡くなった男性を担当した福祉事務所の20代主事は、ケースワーカーになって1年目だったそうです。業務量は適切だったのか、上司や同僚のサポートや研修の状況はどうだったのか。記事で指摘されている通り、担当者個人の問題ととらえるのではなく、組織全体
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