香港トップ「警戒引き上げる」 中国へ返還26年、デモは姿消す

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台北=石田耕一郎
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 香港は1日、中国に返還されて26年を迎えた。香港政府トップの李家超(ジョン・リー)行政長官は記念式典で、「香港はおおむね落ち着いたが、内部には(安定を)損なう勢力が潜んでいる。警戒を引き上げ、国の安全を守らねばならない」と訴えた。

 李氏は、コロナ禍での経済成長の鈍化を念頭に、「祖国(中国)を背に世界につながる香港の(地理的な)有利さを発揮し、現代化強国の建設と、中華民族の偉大な復興に貢献する」と強調した。中国が掲げる巨大経済圏「一帯一路」や、広東省やマカオでつくる経済圏「大湾区」への積極関与をうたった。

 香港では2019年まで、7月1日に民主的な選挙の実現などを求める大規模なデモが行われてきた。だが、デモは反体制的な言動を禁じた20年6月の香港国家安全維持法国安法)施行後に姿を消し、この日も実施されなかった。

■国安法の施行後、続く人口流…

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