第22回巨大ITは「ニュースの対価」払うべきか カナダで法成立、攻防激化

有料記事ビッグテック 膨張する権力

編集委員・五十嵐大介=オタワ 同・佐藤武嗣
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 国境を越え、政治や社会に大きな影響力を持つ巨大IT企業が、報道の領域も揺さぶっている。ニュース配信をめぐり、IT企業と政府との攻防は激しさを増している。

 「この法律は、ニュースを配信して市場を支配するデジタルプラットフォーム事業者に対し、カナダの報道機関と公正、誠実に交渉することを義務づけるものだ」

 カナダ政府は10日、6月22日に成立したグーグルやメタ(旧フェイスブック)など巨大ITを規制するオンラインニュース法について声明を発表。半年以内の施行に向けた手続きを説明し、法律の意義を改めて強調した。

 この法律は、報道機関側が公正な対価の支払いでIT企業と団体交渉することを認め、合意できない場合は当局の監督による仲裁手続きに入るよう義務づける内容だ。

 反発したメタやグーグルはカナダでのニュース配信を停止すると表明。これにカナダ政府もIT大手に対抗していく方針を打ち出すなど、応酬する構えを見せる。

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