夏休みがつらい…学童の弁当事情、広がる格差 都内49市区の事情は

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中井なつみ 本間ほのみ 塩入彩
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夏休みがつらい――。学校が休みになる子どもを学童保育(放課後児童クラブ)に預ける保護者の悩みの種はお弁当だ。毎朝用意しなければならないケースが多く、親にとっては負担が大きい。東京都内ではあらたな負担軽減策が始まる一方、地域格差や学童格差が広がる事態にもなっている。

 夏休み中の学童保育での昼食提供について、朝日新聞が東京都内の全49区市にアンケートしたところ、すべての施設で提供しているのは3割強にあたる16区市にとどまることがわかった。

学童の昼食に広がる格差、あなたの街は?

 長期休み中に学童を利用する小学生の昼食は、保護者が弁当を用意するケースが多い。「働くために預けているのに負担が重い」「夏休みが逆につらい」などの声が上がっている。

 アンケートは7月に実施し、各自治体の担当課から回答を得た。23区のうち10区が「提供している」、13区が「一部でしている」と回答。多摩地域の26市では「している」が6市、「一部でしている」が9市。「していない」は10市だった。「している」と答えた北区は「保護者と子どもを支援する一環として取り組んでいる」。「していない」という立川市は「アレルギーへの対応が難しい」などの理由を寄せた。

 一方、「一部でしている」と答えた22区市の内訳をみると、詳細を把握している21区市の全1024施設のうち、提供は3割弱の297施設にとどまっていた。

 また、「している」「一部でしている」と答えた区市は38あったが、自治体が主導する例は珍しく、多くでは「保護者が弁当を用意する」ことが前提とされている状況がある。

記事の後半では、区市の回答一覧をご覧いただけるほか、先進的な取り組みを進める学童クラブの様子もお伝えします。

 こども家庭庁が6月に発表した調査結果によると、全国の学童で長期休暇中に昼食提供をしている施設は全体の約22%にとどまる。同庁は自治体に「地域の実情に応じて昼食の提供を検討してほしい」と呼びかけている。

■業者配送のお弁当、区が一括…

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