香港ファンド、ツルハに再編求める考え「ドラッグ業界3、4社に」

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聞き手 編集委員・堀篭俊材
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 香港の投資ファンドオアシス・マネジメント」創業者のセス・フィッシャー最高投資責任者(CIO)は6月30日、朝日新聞のインタビューに応じ、株主提案しているドラッグストア大手のツルハホールディングス(HD、本社・札幌市)に対し、社外取締役の顔ぶれを一新することで、将来的に他社との再編を進めていく考えを明らかにした。

 フィッシャー氏は「日本のドラッグストア業界はコンビニ業界のように3、4社が支配する構図に変わるだろう」と語り、イオングループのウエルシアHD、マツキヨココカラ&カンパニーなど数社に再編されるとの見通しを示した。

 ツルハはイオンと資本関係があるが、イオン系のウエルシアがツルハにとって最大の競合相手となり、両社の関係は協調よりも競争の側面が色濃く出るようになっている。

 イオンとの関係強化について、フィッシャー氏は「ツルハとイオンは現在いい関係とはいえない」と語り、「イオンが持っている生鮮食品の調達力を生かし、ツルハと協力関係を深めていくことができる」と具体例を挙げた。

 ツルハとウエルシアとの統合を求めていく可能性について、フィッシャー氏は「たくさんの選択肢がある」と、否定はしなかった。ただ、自ら推薦する社外取締役5人が株主総会で選任されることを前提に、「どこと統合するのかは新しい取締役たちの判断に任せたい。必要ならば私たちもアドバイスする」と述べた。

 オアシスは今年5月、ツルハの12・84%の大株主になり、昨年5月時点でツルハ株約13%を保有する筆頭株主のイオンに次ぎ、第2位の大株主になったとみられている。

 ツルハの8月10日の定時株主総会に向け、元東京地検検事の郷原信郎弁護士ら社外取締役5人の選任を求める株主提案を行い、社外取締役の一新や会長職の廃止などを求めている。ツルハの経営陣も対抗するため、独自の取締役選任議案を出すとみられている。

 フィッシャー氏との一問一答は次の通り。

 ――なぜツルハの大株主になったのでしょうか。

 「私たちが投資する企業はビジネスとしてそこそこいい状況にあるが、もっと改善できる潜在力を持っていることが条件になる。そして私たちが関係を深めることで、そのポテンシャルを大きく改善することができると思える企業だ」

 ――ツルハはM&A(企業合…

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