広がる「小水力発電」に高まる期待 落差2mの農業用水でもOK
現場へ! 水力発電の底力⑤
水力発電は、ダムを伴う大規模水力と、川の流れなどを利用した中小水力に分けられる。近年、増えているのが「小水力発電」だ。発電量は小さいが、水の流量が一定程度あれば、農業用水などでも発電できる。電気が地産地消され、地域活性化にも一役買っている。
1960年代前半には国内3位の金の産出量を誇った、大分県日田市中津江の鯛生(たいお)金山。今は廃鉱となり、跡地に道の駅や博物館が造られている。博物館前の砂場では、大人や子どもが砂金掘り体験をしていた。
この施設で照明や冷房などに使われる電気の7割は、近くの鯛生小水力発電所でまかなわれている。発電所は2004年、日田市と合併する前の旧中津江村が、国の補助金などを使って約1億7千万円で建てた。近くを流れる鯛生川の砂防ダムを活用、最大出力は66キロワットだ。
日田市から発電所の管理を委託されている中津江村地球財団の山口幸生さんらは、ほぼ毎日、発電所の様子を見に行っているという。「取水口に、小枝などのゴミがたまって流れが悪くなり、発電できなくなることが度々ありました。硬いものだとタービンを傷つけることもあるので注意が必要です」。導水路に体長1メートルもの巨大ウナギが入り込んだこともあるといい、最近は業務用冷蔵庫に使うフィルターで取水口を覆って、異物が入ることをふせいでいる。
水量と発電量が増す夏場は…
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