「神宮外苑再開発の認可は違法」、住民ら訴訟で主張 都は棄却求める
土舘聡一
東京都心の明治神宮外苑地区の再開発事業をめぐり、都が事業認可したのは違法だとして、住民ら約60人が認可取り消しを求めた訴訟の第1回口頭弁論が29日、東京地裁(岡田幸人裁判長)であった。都側は請求の棄却を求めた。
訴状によると、原告は、事業者側が都の環境影響評価で提出した評価書案に虚偽が含まれ、審査も不十分だったなどと主張している。
29日は原告の1人で米国人経営コンサルタントのロッシェル・カップさんが意見を述べ、都は環境破壊などの問題を残したまま事業認可の手続きを進めたとし、「裁量権の範囲を逸脱、乱用しているのではないか」と主張した。
青山1丁目住宅自治会長の近藤良夫さんも意見を述べ、「新球場の騒音想定、高層ビル建設による風害などの想定は疑問だ」などとして、事業認可した都は誤っているとした。
都側は請求の棄却を求める答弁書を提出した。都の担当者は取材に対し、「再開発に関わる認可は法令に基づき、適切に行われている」とした。
原告側によると、提訴と同時に、事業認可の効力を止める執行停止を地裁に申し立てていたが、3月に却下された。4月に東京高裁に抗告したという。(土舘聡一)