撤去の汚染土砂、熱海港から搬出 土石流の盛り土

青山祥子
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 静岡県熱海市の大規模土石流の起点付近に残る盛り土を撤去する県の行政代執行で、県は28日、熱海港に仮置きしていた汚染土砂を千葉県市川市の汚染土壌処理施設へ搬出する作業を公開した。

 代執行は昨年10月に着手した。県盛土対策課によると、撤去する盛り土約2万立方メートルのうち、これまでに約1万9千立方メートルを仮置き場に運んだという。起点付近の盛り土の一部から土壌汚染の基準を上回るフッ素や鉛が検出されたため、大型土囊(どのう)に詰めて仮置きしていた。

 県は15日から汚染土砂を運搬船で処理施設に運ぶ作業を開始。この日は、汚染土砂を詰めた大型土囊約700袋が、クレーンで船に積み込まれた。処理施設への搬出作業の完了は年内をめざしている。代執行にかかる総費用は約11億円。県は土地の前所有者に請求するとしている。

 県は当初、盛り土の撤去作業を5月末に完了する予定だったが、降雨や不安定な地盤の影響で7月初旬にずれ込む見込み。8月末までに斜面の緑化工事を終える。熱海市は9月1日に被災地の警戒区域を解除する方針で、県の担当者は「解除日程に影響はない」と説明している。(青山祥子)

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