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【詳報】ウクライナ侵攻79、6月27日~6月30日(日本時間)

国際・外交 タイムライン

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 米シンクタンク「戦争研究所」(ISW)は、ロシア軍の侵攻を受けるウクライナ軍が、ほぼ全ての戦線で主導権を握ったとの見方を示しました。また、ISWはロシアの民間軍事会社「ワグネル」の基地がベラルーシ国内に建設されている可能性があると指摘。反乱収束後、所在がわかっていないワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏の動向にも注目が集まります。

(タイムスタンプは日本時間、括弧内は現地時間)

■■■6月30日(日本時間)■■■

18:09(キーウ30日12:09)

ザポリージャ原発からロシア人従業員ら退避か

 ウクライナ国防省は6月30日、ロシア軍が占拠するウクライナ中南部のザポリージャ原発で、ロシア国営企業のロシア人従業員らが退避を始めていることを明らかにした。ウクライナメディアの「キーウ・インディペンデント」が報じた。

 同省によると、ロシアの国営原子力企業ロスアトムの職員3人が、最初に同原発を離れた。ロスアトムと契約していたウクライナ人従業員も、7月5日までに退避するよう勧告された。原発に残る職員は、緊急事態が起きた場合、ウクライナのせいにするよう指示されたという。

 ザポリージャ原発について、ウクライナのゼレンスキー大統領は6月25日、カナダのトルドー首相との電話協議で、ロシア側が「テロ攻撃」を準備している可能性に言及していた。

16:49(キーウ10:49)

FSB、プリゴジン氏の殺害を指示されていた?

 ウクライナ国防省のブダノウ情報総局長は30日、ロシア連邦保安局(FSB)は、ロシアで反乱を企てた民間軍事会社「ワグネル」創設者のプリゴジン氏の殺害を指示されていたと、米国人ジャーナリストのインタビューで語った。同情報総局のSNSが伝えた。

 ブダノウ氏は、ウクライナの情報当局はかなり以前から、ロシア内部にプリゴジン氏殺害の意向があることを把握していたと述べた。

 ブダノウ氏は「あらゆる暗殺の試みはすぐに実行されるわけではない」とし、「この問題は未解決だ。彼らはあえてこの命令を実行するのだろうか」と語った。

15:35(ベルジャンスク09:35)

ロシア軍占拠地域で爆発音

 ロシア軍に占拠されているウクライナ南部ベルジャンスクで30日、爆発音が11回したとウクライナの地元幹部がSNSで伝えた。爆発音がしたのは空港がある地域だといい、インターネット上には煙が上がる様子を撮影した複数の動画が投稿されている。

 一方、地元の親ロシア派幹部は、ウクライナ軍が英国から供与された長射程巡航ミサイル「ストーム・シャドー」を使って攻撃したと主張。全て防空システムによって迎撃したとしている。

15:21(キーウ09:21)

ウクライナ軍、ザポリージャ州で「部分的な成功」

 ウクライナ軍参謀本部報道官は30日、中南部ザポリージャ州メリトポリ、ベルジャンスク両方面と東部ドネツク州バフムートの側面で攻撃を続け、ロシア軍に圧力をかけているとSNSで伝えた。

 ザポリージャ州内の数カ所では「部分的な成功」を得て、防衛線を確実にしているとした。

 バフムート方面では、以前に占拠されていた場所でロシア軍を追い出しているという。激戦が伝えられるドネツク州リマン、アウジーイウカ、マリンカでもロシア軍の攻撃を抑え込んでいるという。

15:08(ロンドン07:08)

ロシアの軍事予算が増加か

ここから続き

 英国防省は29日、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が6月に発表した報告書を元に、ロシアの軍事予算が増加しているとSNSに投稿した。

 同報告書によると、2023年のロシアの軍事予算は同国の国内総生産(GDP)の4・4%に相当する6・6兆ルーブル(約10・8兆円)に上る見通しという。

 英国防省は、ウクライナ侵攻前の21年、軍事予算はGDPの3・6%だったと指摘。ロシアの軍事予算の情報には不透明な部分があるうえ、ウクライナ侵攻に使用されるのは国防予算の一部ではあるとしつつ、「支出の増加はウクライナでのロシア軍の活動コストを浮き彫りにしている」とした。ロシア軍は、ウクライナの占領地や国境地域での安全保障のために、追加の出費にも直面しているという。

08:20(ワシントン29日19:20)

ウクライナ軍、ほぼ全戦線で主導権か

 米シンクタンク「戦争研究所」(ISW)は29日、ロシア軍の侵攻を受けるウクライナ軍が、ほぼ全戦線で主導権を握ったとの見方を示した。

 ウクライナ軍参謀本部は29日、激戦地となったウクライナ東部バフムート方面で「戦略的主導権」を握ったと発表したほか、ウクライナ軍のザルジニー総司令官やマリャル国防次官も同様の発言をしていた。ISWは、ウクライナ軍がこうした発信をすることで、戦況での優位性をさらに強めようとしている可能性を指摘した。ウクライナ軍は同日、ウクライナ中南部ザポリージャ州西部など2地域でも前進したという。

 また、ISWは、衛星画像の解析から、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の基地がベラルーシ国内に建設されている可能性があると指摘した。ベラルーシ中部アシポビチ北西約15キロにあるベラルーシ軍基地跡地で、同軍の大規模訓練場からも15キロ範囲内にあるという。

 ロシアの独立系メディア「ビョルストカ」は26日、この地域にワグネル戦闘員約8千人の基地を建設中だと報じていた。ISWは、ベラルーシ国内にはロシア軍が使っていた野営地などがあり、「ワグネルはこうした施設を基地として、またはうわさされているアシポビチの基地の代わりとして使用する可能性がある」と分析した。

02:27(サンクトペテルブルク29日20:27)

プリゴジン氏、ロシア国内に潜伏か 地元メディアが目撃写真

 ロシアの民間軍事会社ワグネル創設者エフゲニー・プリゴジン氏とみられる人物が29日、同氏が拠点とするサンクトペテルブルクのヘリポートで目撃されたと、地元メディアが写真付きで報じた。プリゴジン氏はロシアで反乱を企て、ベラルーシに向かったとみられていた。

 マスク姿のため明確には確認できないが、ヘリポートは同氏が関係するホテルの近くにあり、男性を乗せて飛び立ったヘリも関連会社の所有だという。

 プリゴジン氏は24日の反乱収束後、所在が不明になっていたが、ベラルーシのルカシェンコ大統領が27日、プリゴジン氏が同国にいると認めた。

 だが、プリゴジン氏のビジネスジェットが同日朝にベラルーシの首都ミンスクに到着後、夜にはロシアに出発する不可解な動きを見せ、ロシアにいるとの見方も出ている。

00:38(モスクワ29日18:38)

オリガルヒの1人がロシア国籍放棄、侵攻以来6人目 独立系メディア報じる

 ロシアの独立系メディア「メドゥーザ」は29日、ロシアのオリガルヒ(新興財閥)のイーゴリ・マカロフ氏がロシア国籍を放棄したと伝えた。ウクライナ侵攻開始以来、ロシア国籍を放棄したオリガルヒは6人目だという。

 報道によると、マカロフ氏はキプロスへの投資と引き換えに同国国籍を取得。近年はキプロスのほか米国やイタリアで暮らしていたという。米経済誌フォーブスの2023年の長者番付では、ロシアで57位だという。

■■■6月29日(日本時間)■■■

23:24(ワシントン29日10:24)

ペンス前米副大統領がウクライナ訪問

 米NBCニュースは29日、2024年の大統領選挙に立候補を表明しているマイク・ペンス前副大統領がウクライナを訪問したと報じた。米メディアによると、ゼレンスキー大統領とも面会したという。昨年のロシアの侵攻後、共和党の大統領選候補者によるウクライナ訪問は初めて。

 ペンス氏の訪問は事前に公表されていなかった。共和党支持者の間では米国のウクライナ支援に消極的な見方も広がっているが、首都キーウ近郊のモシュンでNBCのインタビューに応じたペンス氏は「訪問の理由は、ウクライナ軍への支援がいかに米国の国益にかなったものであるかを理解してもらうことが重要だからだ」と語った。

19:06(キーウ29日13:06)

欧州委員会の司法担当「ダム決壊、ロシアの地雷が原因の可能性」

 ロシアの占領下にあるウクライナ南部のカホウカ・ダムの決壊について、欧州連合(EU)の行政府である欧州委員会のレインダース委員(司法担当)は、「ロシアが設置した地雷の爆発が原因の可能性がある」と語った。ウクライナの国営通信社「ウクルインフォルム」が29日、伝えた。

 現場がロシアの占領下にあるため、今もウクライナの捜査当局は現場に立ち入ることができない。

 だが、レインダース氏は「加盟国から寄せられる全ての情報をもとに捜査を行っている」と述べた。情報機関のデータや特殊な装置で記録した爆発のデータを研究機関などから提供してもらっているといい、「証拠を入手する方法は他にもある」という。

14:57(ロンドン06:57)

ワグネルがロシア機撃墜 英国防省「両方の作戦に悪影響」

 ロシアの民間軍事会社「ワグネル」創設者のプリゴジン氏による反乱をめぐり、英国防省は29日、ワグネル戦闘員がロシア軍の爆撃機「イリューシンIL―22M」1機を撃墜したとし、「この喪失は、ロシア軍の空と陸の両方の作戦に悪影響を与える可能性がある」と分析した。

 同省によると、ワグネルの戦闘員は24日、首都モスクワに向けた行軍中に、ヘリコプター5機を含むロシア軍機6機を撃墜した。

 この影響について、同省は「短期的には、多数の乗組員を失ったことによる心理的ショックが、ほぼ確実にロシア航空宇宙軍内の士気を下げ、長期的には、残りの航空部隊を安全に管理するため、現在の任務レベルを引き下げなければならない可能性が出てくる」と指摘。「こうした影響により、特にテンポの速い作戦期間中に、ロシア軍は部隊の指揮、調整能力を損なう可能性が高い」と分析した。

14:44(キーウ29日8:44)

ウクライナ軍「バフムートで主導権」と主張

 反転攻勢を進めるウクライナ軍の参謀本部は29日、東部ドネツク州のバフムートやメリトポリ、ベルジャンスク方面でロシア軍と激しい戦闘が続いている、とフェイスブックに投稿した。「ロシア軍は激しい抵抗を続けており、人員、武器、装備に大きな損害を被っている」とした。

 ロシア軍がワグネルを中心とした攻撃で5月に制圧を宣言したバフムート方面では、「ウクライナ兵が主導権を握り、広範な前線で攻撃作戦を展開している」と主張。「バフムート付近の町では、敵に圧力をかけ続け、占領地から敵を追い出し、足場を築くことに成功している」とした。

06:45(ワシントン28日17:45)

プリゴジン氏とプーチン大統領、交渉中の可能性

 米シンクタンク戦争研究所(ISW)は28日、ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏による反乱を終結させるための取引について、今も同氏とプーチン大統領が交渉中の可能性があると分析した。

 ISWは、ベラルーシの独立系調査グループが特定した、プリゴジン氏のジェット機がベラルーシからロシアのサンクトペテルブルクに飛び立ったとする27日の飛行データや、ロシア政府高官やワグネルの司令官と交渉するためにプリゴジン氏がロシアに戻ったとする著名な軍事ブロガーの主張から、そのように判断したという。

 ISWは「プリゴジン氏が実際にロシアに戻ったかは、独自に確認できていない」とした上で、「ベラルーシのルカシェンコ大統領が仲介した取引の詳細を詰めるために、短期間ロシアに戻った可能性がある」としている。

04:49(キーウ28日22:49)

ゼレンスキー氏「ロシア軍の攻撃の協力者を拘束」

 ウクライナのゼレンスキー大統領は28日夜のビデオ演説で、東部ドネツク州の都市クラマトルスクに対する27日のロシア軍のミサイル攻撃による犠牲者が、子ども3人を含む11人に増えたと発表した。この攻撃に協力した人物を拘束したことも明らかにした。

 ロシアによるクラマトルスクへの攻撃では、飲食店などが入る市中心部の建物にミサイルが命中した。ゼレンスキー氏は「彼らは普通のカフェや人気のピザ屋を狙った」と非難。ロシア軍の攻撃を「テロ攻撃」と呼び、ウクライナ保安局が警察と連携して攻撃に関わったとみられる人物を拘束したことも明らかにした。

 この人物がどのように攻撃に協力したのかなど、詳細は語らなかった。

04:02(ベルリン28日21:02)

ショルツ独首相「プリゴジンの乱、ロシアに長期的な影響」

 ドイツのショルツ首相は28日、ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏による反乱の結果、プーチン大統領の権力基盤が弱体化したとの見方を示した。独公共放送ARDのインタビュー番組での発言をもとにAFP通信などが伝えた。

 同通信によると、ショルツ氏はインタビューの中で、失敗に終わったプリゴジン氏の反乱が「ロシアに間違いなく長期的な影響をもたらす」と発言。今回の反乱計画は「ロシアの独裁的な権力構造に亀裂が入っていることを示している。プーチン氏の座は自らが常に主張するほど決して強固ではない」と指摘した。

 一方で、今後のプーチン政権の見通しについては、「長いものになるか短くなるかは分からない」と述べた。「ロシアは核保有国であり、強力な国だ。そのため、危険な状況が起きた時は注意する必要がある。(我々の)目的は政権の転覆ではない」とも話した。

03:44(モスクワ28日21:44)

ロシア軍の副司令官逮捕、ワグネル反乱に関与か ロシア独立メディア

 ロシアの英字メディア「モスクワ・タイムズ」は28日、ウクライナ侵攻を担うロシア軍のスロビキン副司令官が逮捕されたと、国防省に近い情報筋の話として伝えた。ロシアの民間軍事会社ワグネル創設者プリゴジン氏による反乱の際、スロビキン氏は「(国防省でなく)プリゴジン氏の側についた」としている。同氏の現在の所在は不明だという。

 ロシアの独立系メディア「ブリーフ」も同日、スロビキン氏が25日、モスクワにあるレフォルトボ刑務所に連行されたというロシアの軍事ブロガーの情報を伝えた。一方、ロシアメディア「ウラ・ル」は同日、スロビキン氏とともに連行されたと伝えられた副官が電話で、「私は休暇中で家にいる」と、情報を否定したと伝えた。

 スロビキン氏は、反乱を企てたプリゴジン氏に近いとされ、米紙ニューヨーク・タイムズが、米政府高官の話として、同氏が事前に反乱計画を知っていたと伝えていた。

03:25(サンクトペテルブルク28日21:05)

プリゴジン氏、ロシア国内で目撃情報 地元メディア

 反乱を企てたロシアの民間軍事会社ワグネル創設者エフゲニー・プリゴジン氏らしき人物が26日と28日、拠点とするロシア・サンクトペテルブルクの関係先で目撃されたと、地元メディア「フォンタンカ」が伝えた。関係先のビルで部下と談笑し、元気そうだったという。

 プリゴジン氏については、ベラルーシのルカシェンコ大統領が27日、同国に到着したと認めた。ただ、同日朝にベラルーシに到着したプリゴジン氏のビジネスジェット機は、同夜にモスクワに向かい、その後、サンクトペテルブルクに到着した。この機体は26日にもサンクトペテルブルクにあったという。

03:01(ワルシャワ28日20:01)

ポーランドに米国製の主力戦車が到着

 ポーランド国防省は28日、米国から購入した主力戦車M1エイブラムスの一部が納入され、ポーランドに到着したことを明らかにした。ブワシュチャク国防相はSNSで、「今日はポーランド軍にとって重要な一日だ」と述べた。

 同省によると、ポーランドは昨年4月と今年1月、計366台のM1エイブラムスの購入契約を米国と結んだ。28日に納入されたのは、このうちの一部だという。

 ロシアによるウクライナ侵攻後、ポーランドはドイツ製戦車レオパルト2や旧ソ連製戦闘機ミグ29の提供を決めるなど、ウクライナに対する軍事支援を率先してきた。その一方で、自国防衛のために、米国のほか韓国からも戦車などを購入している。

01:23(パリ28日18:23)

マクロン仏大統領とストルテンベルグNATO事務総長が会談

 フランスのマクロン大統領と北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は28日、パリで会談に臨んだ。7月にリトアニアで開かれるNATO首脳会儀(サミット)に向けて、ウクライナのNATO加盟や兵器支援を話し合うのが狙い。

 マクロン氏とストルテンベルグ氏は会談前に仏大統領府の中庭で会見した。マクロン氏は、NATOサミットの目的の一つとして、「ウクライナの加盟に向けた道筋を具体的に定める必要がある」と述べた。

 ストルテンベルグ氏は「NATOの中にウクライナの居場所はある。戦争が終われば、歴史を繰り返させないために、我々にはウクライナの安全を保証するための方法が必要になる」と応じた。

01:01(キーウ28日19:01)

プリゴジン氏、当初はロシア軍トップらの拘束を計画か 米紙報道

 ロシアの民間軍事会社ワグネルが企てた反乱について、米紙ウォールストリート・ジャーナルは28日、西側当局者の話として、創設者のプリゴジン氏がロシアのショイグ国防相とゲラシモフ軍参謀総長を拘束し、ロシア軍指導部を掌握することを計画の一環として立てていたと報じた。ニュースメディア「ウクライナ・プラウダ」なども同紙をもとに伝えた。

 ウォールストリート・ジャーナル紙によると、プリゴジン氏は当初、ショイグ氏とゲラシモフ氏が予定していたロシア南部への訪問の際に両者の拘束を計画。しかし、ロシア連邦保安局(FSB)が実行の2日前に計画を把握したという。

 同紙は、西側当局者の見立てとして、計画が成功する可能性は十分にあったが、事前に漏れたことでプリゴジン氏が即興で別の計画を立てざるを得なくなったと指摘。時期尚早な実行が失敗の要因の一つになった可能性があると伝えた。

0:42(キーウ28日18:42)

ダム決壊、60体以上の遺体発見と投稿

 ロシアの占領下にあるウクライナ南部のカホウカ・ダムの決壊をめぐり、ウクライナ軍参謀本部は28日、60体以上の遺体が見つかった、とフェイスブックに投稿した。がれきの撤去や洪水で亡くなった被害者の遺体を回収するために、ロシア占領軍が雇用した作業員が24~25日の捜索活動で見つけたという。

 同本部は「ロシア占領軍は、実際の犠牲者数を隠すために、遺体からDNAのサンプルを採らずに、集団墓地に埋葬することを決めた」と批判している。

■■■6月28日(日本時間)■■■

23:07(キーウ17:07)

ゼレンスキー氏「『戦争終わればNATO加盟』のシグナルを」

 ロイター通信によると、ウクライナのゼレンスキー大統領は28日、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟問題について「我々が求めているのは、戦争が終わればNATO加盟国になれるというシグナルだ」と述べた。キーウを訪問したポーランドのドゥダ大統領、リトアニアのナウセーダ大統領とともに臨んだ記者会見で語った。

 また、ゼレンスキー氏は「我々は、戦争が続く間は加盟できないことを理解している」とも話した。一方で、加盟が実現するまでは別の形でウクライナの安全が保証されることが必要だと指摘。「NATO加盟の代替としての保証ではなく、(加盟することを前提とした)加盟するまでの間の安全の保証だ」と強調した。

 NATOは2008年の首脳会議でウクライナを「将来の加盟国」とすることで合意したが、原則として、戦争状態にある国の加盟を認めていない。

22:30(ワシントン09:30

バイデン大統領、プーチン氏は「世界中でのけ者に」と指摘

 バイデン大統領は28日、ウクライナに侵攻するロシアのプーチン大統領について、「世界中でのけ者になった」と指摘した。ロシアの民間軍事会社ワグネル創設者のプリゴジン氏による反乱の影響については、慎重に判断する姿勢を改めて示した。

 バイデン氏はホワイトハウスで記者団に、プリゴジン氏の反乱を受けてプーチン氏が弱体化したかと問われると、「判断するのは難しいが、彼は(ウクライナでの)戦争に負けており、国内の戦争に負けている」と指摘した。バイデン氏はこの際、ウクライナと誤って「イラクでの戦争」と発言した。

 またバイデン氏はプーチン氏について「世界中でのけ者になってしまった」とし、「北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)だけでなく、日本からもだ」と述べた。

20:25(キーウ14:25)

ポーランド、リトアニア大統領がキーウ訪問

 ロイター通信によると、ポーランドのドゥダ大統領とリトアニアのナウセーダ大統領は28日、ウクライナの首都キーウを訪問した。ゼレンスキー大統領らと会談する。

 近くブリュッセルで開かれる定例の欧州連合(EU)首脳会議や、7月にリトアニアの首都ビリニュスで開催予定の北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議を前に、3者会談で意見の調整にあたるとみられる。ウクライナは特に、NATO首脳会議で将来の加盟に向けた明確な道筋が示されることを望んでいる。

18:20(クラマトルスク12:20)

クラマトルスクにミサイル攻撃、死者10人に

 ウクライナの国家警察は28日、東部ドネツク州のクラマトルスクに対するロシア軍のミサイル攻撃による犠牲者が、同日午前11時半(日本時間午後5時半)現在で10人に達したと発表した。負傷者も61人に増えた。警察当局は、死亡者の中に17歳と14歳の姉妹がいたことも明らかにした。

 ウクライナ軍によると、攻撃には短距離弾道ミサイル「イスカンデル」が使われたという。ミサイルは飲食店などが入る市中心部の建物を直撃した。

13:10

ロシア軍副司令官、反乱計画を事前に把握か

 ロシア軍でウクライナ侵攻を担うスロビキン副司令官が、民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏による反乱計画を事前に知っていたと、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が28日、米政府高官の話として報じた。ロイター通信なども、この記事を元に相次いで報道した。

 スロビキン氏は、プリゴジン氏に近いことで知られる。NYTによると、米側はスロビキン氏がプリゴジン氏による計画を支援したかどうかを把握しようとしているという。

 NYTによると、米政府関係者はまた、スロビキン氏とは別の人物にも、国防省指導部を力ずくで変えるというプリゴジン氏の試みを支持した兆候があった、と述べたという。

13:10(クラマトルスク07:10)

クラマトルスクにミサイル攻撃、子供3人含む8人死亡

 ウクライナ非常事態庁は28日、東部ドネツク州のウクライナ側拠点都市クラマトルスクに対する27日のロシア軍のミサイル攻撃で、破壊されたレストランの建物から見つかった死者が午前7時現在で8人に達した、と発表した。負傷者は56人という。

 死者には3人の子供が含まれ、うち2人は2008年と11年生まれだという。昨年生まれの幼児も負傷した。

 現場では建物の残骸を撤去しながらの捜索活動が続いているという。

10:48(メリトポリ04:48)

メリトポリで爆発音、ウクライナ軍のミサイル攻撃か

 ウクライナ中南部ザポリージャの南部を占領するロシア軍の拠点都市メリトポリ市の親ロシア派勢力は28日、前夜から未明にかけて同市内で爆発音が響いたことを明らかにした。ロシア国営タス通信が伝えた。

 同通信は親ロシア派の情報としてロシア軍の防空システムが稼働したとしている。ウクライナ軍によるミサイル攻撃の可能性がある。地元の親ロシア派幹部の一人、ウラジーミル・ロゴフ氏はSNSに、爆発音は連続的に6回響いたと投稿した。

 メリトポリは東部ドネツク州のロシア軍占領地と南部ヘルソン州、クリミア半島の占領地とをつなぐ位置にあり、これらの占領地を分断して領土奪還を目指すウクライナ軍が反転攻勢で制圧目標の一つとしているとされる。

ロシア政府、プリゴジン氏を汚職容疑で告発準備か ISW分析[09:50(ワシントン27日20:50)] 

 米シンクタンク戦争研究所(ISW)は27日、プーチン大統領が、ロシアの民間軍事会社ワグネル創設者プリゴジン氏の関連会社「コンコルド」を調査する考えを示したことについて、「プリゴジン氏を汚職容疑で告発し、資産を没収することを正当化するための準備かもしれない」と分析した。

 ワグネルはロシア国内の非合法組織で、コンコルドはプリゴジン氏が所有する企業だ。プーチン氏は27日、「コンコルド」が国から受け取った資金を適切に使用しているか調査することを明らかにしていた。

 プーチン氏は、ワグネルの一般の戦闘員には反乱の責任はないとの考えを示し、戦闘員はロシア国防省と雇用契約を結べるとしている。ISWは、「プーチン氏は、ワグネルからプリゴジン氏を切り離し、地位を奪おうとしている」と指摘。「プリゴジン氏を汚職容疑で告発することで、ポピュリストとしての魅力を打ち砕こうとしているようだ」と分析した。

05:11(キーウ27日23:11)

ゼレンスキー氏、反転攻勢の「全方面で前進」

 ウクライナのゼレンスキー大統領は27日夜のビデオ演説で、ロシア軍に占領された領土の奪還を目指す反転攻勢について、ウクライナ軍が攻撃作戦を展開した全ての方面で「前進した」と述べた。

 ゼレンスキー氏は「ロシア軍の攻撃を退けたことでも重要な結果を出した」とも述べ、前線の兵士への謝意を強調した。

04:33(キーウ27日22:33)

ウクライナ軍、複数戦線で「最大1400メートル前進」

 ウクライナ軍の報道官は27日、ロシア軍に占領された領土の奪還を目指す反転攻勢について、ウクライナ軍は過去24時間で、複数の戦線において最大1400メートルほど前進したと語った。テレビ番組での発言を、現地メディア「キーウ・インディペンデント」が伝えた。

 報道官は「ロシア軍は反撃をやめないが、成功していない。ウクライナ軍が敵の手の内を把握し、敵の部隊と軍備を破壊するために先回りしているからだ」と語ったという。

03:58(ハーグ27日20:58)

NATO事務総長「ロシアの分断を深め、新たな緊張を生んだ」

 ロシアの民間軍事会社「ワグネル」創設者のプリゴジン氏が反乱を企てたことについて、北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は27日、「ロシア国内の問題」と前置きした上で、「はっきりしているのは、プーチン大統領によるウクライナに対する違法な戦争が、ロシア国内の分断を深め、新たな緊張を生み出したということだ」と述べた。

 また、「私たちはロシアを過小評価してはならない。ウクライナ支援を続けることが一層重要になる」と強調し、7月にリトアニアで開かれるNATO首脳会議(サミット)が、NATOのウクライナへの関与を明確に示す機会になることへの期待を語った。

03:52(モスクワ27日21:52)

シリアのワグネル指令官ら4人をロシア軍警察が拘束 地元報道

 シリアにいるロシアの民間軍事会社ワグネルの司令官ら4人を、ロシア軍警察が拘束したと、ロシアメディアが中東のメディアの情報として伝えた。拘束されたのは、シリア南部のワグネル部隊の司令官と、シリアにあるロシア軍のミメイミム空軍基地の高官3人だという。ほかのワグネルの拠点にも治安機関が到着したという。

03:30(ワシントン27日14:30)

米、ウクライナへの5億ドルの軍事支援を発表

 バイデン米政権は27日、ウクライナに対する最大5億ドル(約720億円)の追加の軍事支援を発表した。戦闘車両「ブラッドレー」30両や装甲車「ストライカー」25両などを提供する。

 ウクライナ軍が反転攻勢を続けるなか、オースティン米国防長官は15日の会見で、ウクライナ軍が使う車両などに損失が出ていることを認めていた。今回の支援で、こうした損失を補うことが期待されている。

 今回の軍事支援には、携帯式の地対空ミサイル「スティンガー」や対戦車ミサイル「ジャベリン」、追加の弾薬も含まれる。ブリンケン米国務長官は声明で、「今日のウクライナの戦場での必要性に合わせた装備」だとし、「進行中のウクライナの反転攻勢を支援するものだ」と述べた。

 また、米国防総省のライダー報道官は27日の会見で、今回のウクライナへの軍事支援の内容と、ロシアの民間軍事会社ワグネル創設者、プリゴジン氏が起こした反乱との関係を問われ、「関係はない」と否定した。軍事支援はかねて調整を進めてきたものだと説明した。

03:30(ワシントン27日14:30)

米、ワグネル関連企業に制裁

 バイデン米政権は27日、ロシアの民間軍事会社ワグネルと創設者プリゴジン氏に関連する4企業と1個人に制裁を科したと発表した。違法な金取引に従事し、ロシアが侵攻するウクライナやアフリカでワグネルの軍隊が拡大する資金源となった、などと指摘している。

 米財務省の発表によると、制裁対象となった企業は、中央アフリカで金などの採掘や貿易に関わる2社と、アラブ首長国連邦(UAE)の1社とロシアの1社。マリで活動したワグネル幹部のロシア人1人も制裁対象とした。米国内の資産凍結などの対象となる。

 ネルソン米財務次官は声明で、「アフリカやウクライナ、あらゆる場所でのワグネルの拡大と暴力行為を止めるため、米国は今後もワグネルの収入源を標的にし続ける」と述べ、引き続き制裁を科す方針を強調した。

 今回の制裁は、プリゴジン氏によるロシア軍への反乱前から米側が計画していたとみられる。米財務省は今年1月、ワグネルを「重要国際犯罪組織」に指定し、関係先に制裁を科している。

03:20(キーウ27日21:20)

飲食店などにミサイル攻撃、2人死亡、22人負傷

 ウクライナ大統領府のイエルマーク長官は27日、東部ドネツク州の都市クラマトルスクが同日、ロシア軍から2発のミサイル攻撃を受けたとSNSに投稿した。少なくとも2人が死亡し、22人が負傷したという。現地メディア「キーウ・インディペンデント」が伝えた。

 1発目のミサイルは市中心部の飲食店に、2発目は集落に着弾したという。イエルマーク氏は、大破した飲食店の被害状況を伝える写真も投稿した。がれきの下敷きになった住民がいる可能性があるという。

03:00(ニューヨーク27日14:00)

ロシア国連次席大使、ワグネル反乱で「国はかつてないほど強く見える」

 ロシアのポリャンスキー国連次席大使は27日、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」創設者のプリゴジン氏による反乱を阻止したことで、ロシアは一層強くなったと主張した。

 米ニューヨークの国連本部で、今回の反乱でプーチン大統領の存在感が弱まった可能性を問われると、「私はそうは思わない。(プーチン氏の存在は)強く見える。それにこの反乱を団結して撃退したのだから、わが国はかつてないほど強く見える」と否定した。その後もプーチン政権が弱体化したのではないかという質問を受けたが、すべて否定した。

 ワグネルの今後の活動については、情報を把握していないと説明した。その上で「ワグネルの兵士の多くはロシアの真の愛国者。だからこそ、彼らはウクライナや北大西洋条約機構(NATO)との戦いに参加しているし、我々もそう認めている」と述べた。

00:56(ロンドン27日16:56)

ルカシェンコ氏、「ワグネルから武器情報を得られる」と期待

 ベラルーシのルカシェンコ大統領は27日、ロシアの民間軍事会社ワグネルの戦闘員の受け入れ態勢について、「使われていない軍事基地の一つを提供する。フェンスもあるし、何でもある。自分たちでテントを張って欲しい」と述べた。ロイター通信が、ベラルーシの国営ベルタ通信を引用する形で伝えた。

 また、英ガーディアンによると、ルカシェンコ氏は「彼らの指揮官は、どの武器が(ウクライナの戦場で)有効だったかを教えてくれるだろう。攻撃や防衛の方法などをワグネルから得られるだろう」との期待も語ったという。

 ワグネルの戦闘員について、ロシアのプーチン大統領は、事情を知らずにワグネル創設者プリゴジン氏による反乱に利用されたとの見方を表明。ロシア国防省と雇用契約を結ぶか、ベラルーシに渡航するかなどを選べると述べている。

■■■6月27日(日本時間)■■■

23:51(パリ16:51)

エストニアラトビア、NATOに安全保障強化要請

 バルト三国のラトビアとリトアニアは27日、北大西洋条約機構(NATO)に対し、両国の東部国境付近の防衛を強化するよう要請した。ロシアの民間軍事会社「ワグネル」がベラルーシに新たに基地を設置するとの予測に対応した措置だという。ロイター通信が報じた。

 報道によると、ロシアのプーチン大統領がワグネルの戦闘員らにベラルーシへの移動を提案したことを受け、ラトビアのリンケービッチ外相は「この動きを安全保障の観点から評価する必要がある」と記者団に述べた。また、リトアニアのランズベルギス外相は「我々の国は、ベラルーシの彼らが活動場所から数百キロの距離で、我々の地域に不安定な環境を作り出している」と話した。

22:41(ミンスク16:41)

プリゴジン氏がベラルーシ到着 ルカシェンコ大統領が認める

 ベラルーシのルカシェンコ大統領は27日、ロシアで反乱を企てた民間軍事会社ワグネル創設者プリゴジン氏が同日、ベラルーシに到着したと認めた。ロシア国営タス通信が伝えた。

21:18(モスクワ15:18)

プリゴジン氏の関連会社の不正を調査

 ロシアのプーチン大統領は27日、ロシア国防省の軍人との会合で、民間軍事会社ワグネル創設者プリゴジン氏の関連会社「コンコルド」が、国から受け取った資金を適切に使用しているか調査する考えを示した。タス通信が伝えた。

 ワグネルはロシア国内で非合法の組織で、コンコルドは「表の顔」にあたるプリゴジン氏の企業となる。

 プーチン氏は「コンコルドの所有者(プリゴジン氏)は、ワグネルが国の資金援助を受けているにもかかわらず、1年間で軍への食料販売で800億ルーブル(約1300億円)を得ていた」と指摘。「誰も何も盗んでいないことを願うが、我々はすべて調べる」と調査する考えを示した。

21:02(ミンスク15:02)

ベラルーシ大統領、ワグネルから「学びたい」

 ベラルーシのルカシェンコ大統領が27日、ロシア軍への反乱を宣言していた民間軍事会社「ワグネル」の戦争経験から、自分の国も「学びたい」と発言したとロイター通信が報じた。

 反乱は、ワグネル創設者エフゲニー・プリゴジン氏をルカシェンコ氏が説得する形で停止された。ワグネル戦闘員については、ロシア軍に参加するかベラルーシへの亡命が認められている。

 ロイター通信はベラルーシの国営ベルタ通信を引用する形で、ルカシェンコ氏が「彼ら(ワグネル)の指揮官が我々に加わり今何が重要か教えてくれたら……。それは貴重なことだ。我々はそれをワグネルから受け取る必要がある」と発言したと報道。ルカシェンコ氏は「ワグネルを恐れる必要はない」とも述べたという。

19:14(バチカン12:14)

ローマ教皇の特使がモスクワ訪問へ

 ローマ教皇庁(バチカン)は27日、フランシスコ教皇がロシアに特使を派遣すると発表した。フランシスコ教皇は、ロシアとウクライナの紛争終結に向けた和平の仲介に意欲を示しており、5月にはバチカンでゼレンスキー大統領と会談している。

 バチカンの発表によると、ズッピ枢機卿とバチカン国務省の職員が28~29日にモスクワを訪れる。ズッピ氏は今月5~6日にウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領と面会している。今回のモスクワ訪問では、プーチン大統領と面会する可能性がある。

 バチカンはズッピ氏のモスクワ訪問について、「主な目的は人道的な振る舞いを促すことだ。それが現在の悲劇的な状況に対する解決策を生みだし、公正な平和を達成する方法を見つけることにつながる」と説明している。

 フランシスコ教皇はこれまで和平の実現に向けて、自らキーウとモスクワを訪問したい考えを示してきた。4月30日には訪問先のハンガリーの帰路で、記者団にローマ教皇庁が和平に向けた取り組みに動いていることを明らかにしていた。

19:01(ポルタワ13:01)

「1年前のこの日と同じように攻撃」ポルタワ州知事

 ウクライナ中部ポルタワ州のルニン知事は27日、「敵はポルタワ州を攻撃した。1年前のこの日、ミサイル『Kh22』によって攻撃されたのと同じように」とSNSに投稿した。

 知事の投稿によると、同州クレメンチュク地域の別荘地がロシア軍の攻撃を受けたという。負傷者やインフラ施設の被害はないとみられる。

 クレメンチュクでは昨年6月27日、ショッピングモールが攻撃され、20人以上が死亡、59人が負傷した。

17:19(モスクワ11:19)

ロシア国防省、ワグネルの軍事装備をロシア軍に移管準備

 ロシア国防省は27日、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」が管理していた重火器など軍事装備をロシア軍に移管する準備が進んでいるとSNSで発表した。

 ロシアのプーチン大統領は、ワグネル創設者のエフゲニー・プリゴジン氏が企てた反乱を受けた26日の演説で、戦闘員らにロシア軍に加わるよう呼びかけたが、ワグネル本体の今後については明らかになっていない。

16:03(キーウ10:03)

親ロシア派、パスポートと引き換えに被災支援か

 ウクライナのマリャル国防次官は27日、ウクライナ南部ヘルソン州のロシア軍占領地域で、カホウカ・ダム決壊の被災者に対し、親ロシア派当局が支援と引き換えにロシアのパスポートを取得させているとして、「国民の窮状を利用している」とSNSで非難した。インタファクス・ウクライナ通信が伝えた。

 マリャル氏によると、ロシアのパスポートを取得した人には、わずかな現金と一時的な住居が提供されているという。

14:44(ロンドン6:44)

ウクライナ、ロシア占拠の場所を奪還か 英国防省

 英国防省は27日、ウクライナ軍空挺(くうてい)部隊がウクライナ東部ドネツク州クラスノホリウカ東部でわずかに前進したと発表した。同省によると、この地域は2014年以降、ロシアが占拠していた場所だという。

13:51(ミンスク27日07:51)

プリゴジン氏所有のビジネスジェット、ベラルーシに着陸か

 ベラルーシの独立系軍事情報監視団体「ベラルーシ・ガユン」は27日、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者エフゲニー・プリゴジン氏が所有するビジネスジェット1機が同日午前7時40分(日本時間同日午後1時40分)、ベラルーシのマチュリシ空軍基地に着陸したと伝えた。

 また、ロシア第2の都市サンクトペテルブルクを出発したビジネスジェットも同日午前7時58分に同基地に到着したという。ベラルーシ・ガユンは、この航空機とワグネルの関係の有無については言及していない。

12:00(キーウ6:00)

ロシア、ドネツク州に攻撃集中か

 ウクライナ軍参謀本部は27日の戦況報告で、過去24時間にロシア軍から巡航ミサイル「カリブル」やドローン無人機)などによる攻撃を受けたと発表した。ミサイルやドローンは全て迎撃したという。

 ロシア軍の攻撃は、ウクライナ東部ドネツク州リマン、バフムート、マリンカ方面に集中しているという。ウクライナ南部ヘルソン州と隣接するザポリージャ州では、ロシア軍はウクライナ軍の前進を阻止することに注力しているという。

 ウクライナ軍はロシア軍の集中する地域などに6回の空爆をおこなったほか、ミサイルや砲兵部隊による攻撃も実施したと報告した。

11:00(ワシントン26日10:00)

ISW分析 プーチン大統領の演説は「プリゴジン氏との決定的な決別」

 ロシアの民間軍事会社「ワグネル」創設者のプリゴジン氏による反乱を受けたプーチン大統領の演説について、米シンクタンク戦争研究所(ISW)は26日、「プリゴジン氏との決定的な決別を告げるものだったとみられる」と指摘した。

 プーチン氏はこの日の演説で、プリゴジン氏を名指ししなかったものの、反乱を企てた者は裏切り者だと非難し、「いかなる脅しや不安定化の企ても失敗する定めにあることを示した」などと述べた。プリゴジン氏は政権の転覆は意図していなかったとしているが、ISWは「演説にプリゴジン氏との和解の余地はほとんど残っていない」と述べた。

 さらに、プリゴジン氏やワグネルの戦闘員がベラルーシに出国したとしても「プーチン氏が約束をほごにして反逆罪に問えば、安全であり続ける可能性は低い」とも指摘した。

 一方、ISWはプーチン氏が反乱を非難しながらも、ワグネルの一般の戦闘員に反乱の責任はないとの考えを示し「国防省などと契約し、ロシアの兵役を続ける機会がある」と述べたことについて、「プーチン氏が訓練された人材を必要としているということだ」と説明した。

08:40(ワシントン26日19:40)

プリゴジン氏の反乱受け、米大統領と伊首相が電話協議

 ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者プリゴジン氏がロシア軍への反乱を企てたことを受け、バイデン米大統領とイタリアのメローニ首相が26日、電話で協議した。米ホワイトハウスは声明で、「最近のロシアでの出来事を受けた主要な同盟国や友好国との緊密な連携の一部」だと説明した。両氏はウクライナへの揺るぎない支援を確認したという。

 7月にリトアニアで開かれる北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議(サミット)に向けた準備についても協議した。またバイデン氏は、メローニ氏を7月にホワイトハウスに招待した。

 ロシアにおける情勢について、バイデン氏は26日の演説で、主要な同盟国の首脳やウクライナのゼレンスキー大統領と連絡を取っており、「同じ考えを持っていることを確認している」と語っていた。

04:28(モスクワ26日22:28)

プーチン氏がワグネルの反乱めぐって演説

 ロシアのプーチン大統領は26日夜、国民に向けてテレビで約5分間演説した。ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏による反乱について、「市民による連帯が、いかなる脅しや不安定化の企ても失敗する定めにあることを示した」と述べた。ロイター通信などが伝えた。

 プリゴジン氏が24日夜に反乱を取りやめて撤退を表明した後、プーチン氏が公の場で発言するのはこの日が初めてだった。プーチン氏はワグネルの戦闘員について「ほとんどが愛国者だ」と称賛。「企てを中止して流血の事態を避けたことに感謝する」と述べた。

 その上で、ワグネルの戦闘員の今後について、国防省と契約してロシア軍に加わるか、ベラルーシに向かうか、家族のもとに帰還するかを選ぶように呼びかけ、「私は約束を守る」と述べた。

 ワグネルをめぐっては、プリゴジン氏が26日夜、プーチン氏の演説の数時間前に反乱の中止を表明後、ほぼ2日ぶりとなる声明をSNSに投稿。プーチン氏は演説の中で、プリゴジン氏の名前は呼ばなかった。

03:30(ワシントン26日14:30)

米高官「ロシアの動向、中国指導部を不安に」

 米国家安全保障会議のキャンベル・インド太平洋調整官は26日、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」創設者のプリゴジン氏による軍への反乱をめぐり、「中国の指導部を不安にさせた」との見方を示した。

 ワシントンのシンクタンクでのイベントで語った。キャンベル氏は「最近のロシアの動向は、中国の指導部を不安にさせたと言えると思う」と指摘した。

 中国外務省は25日、「ロシアが国家の安定を守ることを支持する」との立場を示している。

03:30(ワシントン26日14:30)

カービー氏「反乱、米国は関わっていない」強調

 米国家安全保障会議のカービー戦略広報担当調整官は26日の会見で、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者プリゴジン氏による反乱について、「ロシア国内の問題だ」と述べた。「米国は関わっていない」と強調し、こうした考えをロシア側にも伝えたことを明らかにした。

 カービー氏は「すべての同盟国と友好国に、米国は関わっておらず、今後も関わらないことを明確にした」と説明した。ロシアにも、外交ルートでこうした考えを直接伝えたという。

 また、「我々はウクライナの情勢を考え、ロシアが不安定になる可能性があることを懸念している」とも語った。今回の反乱が及ぼす影響については具体的な言及を避け、「我々がしなければならないのは、ウクライナへの支援に集中することだ」と繰り返した。

03:08(キーウ26日21:08)

ゼレンスキー大統領が前線の兵士を激励

 ウクライナのゼレンスキー大統領は26日、反転攻勢を進めている東部ドネツク州の前線に近い地域を訪れ、ウクライナ軍の兵士たちを激励した。自らのSNSに投稿した。

 ウクライナ大統領府の発表によると、ゼレンスキー氏は同日、激戦が続く同州バフムート方面で活躍した部隊のもとを訪れた。同日夜には、ロシア軍の重要拠点であるアゾフ海沿いの中南部ザポリージャ州ベルジャンスク方面の作戦に携わる部隊を訪問。SNSでは兵士らと握手を交わす姿を投稿した。

 ゼレンスキー氏は「ウクライナを守り、我々の独立と自由のために戦ってくれてありがとう」と兵士への感謝をつづった。

02:12(キーウ26日20:12)

ウクライナ軍がメリトポリ方面で前進に成功

 ウクライナ軍は26日夜、中南部ザポリージャ州の重要都市メリトポリ方面の戦線で1・5キロの前進に成功したと明らかにした。ニュースメディア「ウクライナ・プラウダ」などが伝えた。

 メリトポリ方面で作戦にあたるウクライナ軍の報道官が同日夜のニュース番組で明らかにした。同軍が圧力をかけることに成功した結果、ロシア軍の陣地深くまで前進したという。同方面では、ウクライナ軍による空中からの偵察や地雷除去が続いているとしている。

02:01(モスクワ26日20:01)

ロシアと英国の戦闘機が黒海上空で接近

 ロシア政府は26日、黒海上空で国境に接近してきた英国の戦闘機2機を迎撃するため、戦闘機2機を発進させたと発表した。ロシア国防省は声明で「ロシアの戦闘機が接近すると、英国の戦闘機は方向を変え、ロシア国境から遠ざかった」としている。

 同省によると、ロシア国境に近づいてきたのは、英空軍のユーロファイター・タイフーン戦闘機だったという。同省は声明で「ロシア機は無事に帰還した。ロシア国境の侵犯はなかった」と述べた。

 黒海上空では今年3月、ロシア軍戦闘機と米軍無人偵察機が衝突する事案も起きており、偶発的な事態のリスクが高まっている。

01:30(ワシントン26日12:30)

反乱中止 バイデン大統領「結論に達するのは時期尚早」

 ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏が反乱を宣言し、中止した問題をめぐり、バイデン米大統領は26日、「今は事態がどこに向かうのか、最終的な結論に達するのは時期尚早だ」と述べた。「出来事の余波や、ロシアとウクライナへの影響の評価を続ける」とも語った。

 ホワイトハウスでの演説で語った。バイデン氏がプリゴジン氏の反乱以降、公に話すのは初めて。バイデン氏はプリゴジン氏の反乱をめぐり「我々は関わっておらず、我々は関係ないことをはっきりさせた」と強調。「ロシアの体制内の闘争の一部だった」と述べた。

 ロシアの事態を受けてバイデン氏は、国家安全保障チームに対し、状況を注視して報告をすることや、「さまざまなシナリオ」に備えるように指示を出していたという。バイデン氏は24~25日、英独仏やカナダの首脳と電話で協議した。バイデン氏は、ロシアのプーチン大統領に反乱を西側諸国や北大西洋条約機構(NATO)のせいにさせないことで同盟国の首脳と合意した、と振り返った。

 またバイデン氏は、ウクライナのゼレンスキー大統領とも今後も連絡を続ける、としている。「次に何が起ころうとも、同盟国や友好国と緊密に連携して対応を続ける」とも述べた。

00:25(ロンドン26日16:25)

プーチン氏の権威への「前例なき挑戦」、英外相が見解

 英国のクレバリー外相は26日、ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏による反乱について、「プーチン大統領の権威に対する前例のない挑戦であり、ロシアの戦争支持に亀裂が生じつつあるのは明らかだ」と議会で述べた。ロイター通信が伝えた。

00:03(ミンスク26日18:03)

プリゴジン氏がワグネル「解体」を発表 撤退表明後、初の投稿で

 ロシア軍への反乱を企てた民間軍事会社「ワグネル」の創設者エフゲニー・プリゴジン氏は26日夜、24日夜の撤退表明後、ほぼ2日ぶりとなるSNSへの投稿でワグネルについて、「(ロシア国防省などの)陰謀と思慮不足の決定により、7月1日に消滅しなければならなくなった」と述べた。

 プリゴジン氏は反乱を企てた理由を「ワグネルの破壊を阻止し、(ウクライナ侵攻の)作戦で多くの失敗をした者の責任を追及することだった」と釈明。プーチン政権の転覆は意図していなかったとし、モスクワへの進軍を中止するという、ルカシェンコ・ベラルーシ大統領の提案を受け入れたのは、流血の事態を回避するためだったと述べた。

 プリゴジン氏は24日夜の撤退表明後、ベラルーシに向かうとみられていたが、動静が不明だった。ロシアの独立系メディアは26日、プリゴジン氏がベラルーシの首都ミンスクのホテルで目撃されたと写真付きで報じた。だが、プリゴジン氏はこの日の投稿では自身の居場所には触れなかった。

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    佐藤優
    (作家・元外務省主任分析官)
    2023年7月1日6時45分 投稿
    【視点】

    6月29日16:25(モスクワ時間、日本時間01:15)から、モスクワでロシアのプーチン大統領が戦略的イニシアティブ庁が主催した第3回年次フォーラム「新しい時代のための強い理念」全体会議における演説と討論(全体で90分)は、ウクライナ戦争絡

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