「楽しみにして」紅林弘太郎を乗せたいたずら あのサヨナラ弾の意味

オリックス・バファローズ

 元オリックス球団職員で、現在はフリーアナウンサーの大前一樹さん(62)と、朝日新聞スポーツ部のオリックス担当・高橋健人記者が対談する「オリいったお噺」。今回は印象に残った試合を語り合います。

記者サロン「オリックスだけの時間『投手王国の謎に迫る!』」

オリックスについて語り尽くす配信番組「オリックスだけの時間」第2弾が好評配信中です。チームに一年中密着するフリーアナウンサーの大前一樹さん、元投手の海田智行さんを招き、朝日新聞の担当記者と激論を交わします。投手陣の舞台裏の話題を中心に、シーズン後半の展望も

 高橋 交流戦が終わり、シーズンも中盤に差し掛かりました。ロッテ、ソフトバンクとの首位争いが続くチームの状態は好調とみて良さそうです。ここまで、印象に残った試合はありますか。

 大前 紅林弘太郎選手が逆転のサヨナラ2ランを放った5月24日の楽天戦(ほっともっと神戸)ですね。

 3点差を追っていた八回、中川圭太選手の2ランで1点差に迫りました。九回からマウンドに上がったのが、チームが苦手としている楽天の守護神・松井裕樹投手。敗色濃厚の展開でしたが、1死一塁で紅林選手が左翼席に打球を運びました。終盤に強いオリックスを改めて示すことができた試合でした。

 高橋 本塁を踏んだ後に中嶋聡監督から首を抱え込まれました。あの“愛のあるヘッドロック”は、SNSでも盛り上がっていましたね。本人も「愛を感じました」と。次にサヨナラ打を打ったときは「ラリアット」をしてほしいと、冗談っぽく話しました。

 大前 昨季まで2年連続で正遊撃手として活躍した選手なのに、今季は開幕を2軍で迎えました。そこからはい上がってきたところで、あの一発。大きな意味がありましたね。

 高橋 本人はあの本塁打で「ヘッド(バットの先)が走る感覚」をつかんだようです。実際にあの試合以降に限ると、4割近い打率を残しています。打線が苦しんでいる試合で、紅林選手の一打が起点になることも珍しくありません。

 あの試合から登場曲がアニメ「Dr・スランプ アラレちゃん」のテーマ曲に変わったことも話題になりました。「きょう、楽しみにしておけよ」と、宗佑磨選手にいたずらで変えられたらしいです。ポップで楽しい曲調に合わせ、ファンから手拍子を受けるのも定着してきました。「ラッキーソング」になりつつありますね。

 大前 紅林選手の存在の大きさは実証済みですし、リーグ3連覇を目指す上で欠かせないピースであることは間違いないですね…

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