「アルマーニ標準服」騒動から5年 銀座の公立小学校はどうなった?

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森下香枝
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 公立小学校ながら、高級ブランド「アルマーニ」が監修した標準服を採用し、大きな話題となった、東京都中央区立泰明小(同区銀座5丁目)。採用から5年がたち、当時の新入生は6年生になった。その後を取材した。

 6月の午後。フランス門と呼ばれるレトロな校門付近で子どもを待つ保護者の姿が見えた。子どもたちは白い帽子に白いシャツ、紺の半ズボンなどの標準服を着ていた。周りの人々が子どもたちを気にする様子はなく、近くの店員は「アルマーニ騒動、忘れてました」と話した。

 アルマーニ監修の標準服の着用が始まったのは2018年春。1878(明治11)年開校で数々の著名人が輩出、帝国ホテルや銀座4丁目の交差点にもほど近く、校舎は09年に都の歴史的建造物に選定された。そんな同校を当時の校長は特別な存在と考え、「伝統ある、そして気品ある空間・集団」への「帰属意識」「誇り」「美しさ」を保つ象徴として「ブランド標準服」を選んだとされる。他の有名ブランドにも打診し、アルマーニが受けたという。

 ただ公立小と高級ブランドという取り合わせは、議論を呼んだ。当時報じられた値段は上着など基本の一式で4万円超。それまでの標準服の2倍以上だった。夏服、冬服など全てをそろえると、計8万円前後と話す保護者もいた。着用義務は無いものの、実質的には制服に近く、話題となった直後の18年2~3月、「なぜアルマーニなのか」「保護者の負担を減らすべきだ」などの60件以上の意見や苦情が、中央区教育委員会などに寄せられたという。

 それから5年。

「アルマーニ」騒動から5年後の泰明小学校

2018年春、「アルマーニ」騒動で大揺れとなった泰明小学校。保護者らに取材すると、意外な答えが……。

 「保護者から不満が出ている…

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    常見陽平
    (千葉商科大学准教授・働き方評論家)
    2023年7月7日11時29分 投稿
    【視点】

    ■ボンタン、ドカンを履くヤンキー小学生が登場する日  欺瞞に満ちたアルマーニ標準服、独占ブルジョワどもの策動を、朝日新聞記者が滅多斬りにし、木っ端微塵に粉砕する記事を読者としては期待してしまうだろう。しかし、一見すると全面的な肯定とも読め

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