プリゴジン氏不問、識者「本来ありえない」 侵攻の矛盾が生んだ反乱
ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者、プリゴジン氏がロシア軍への反乱を宣言した一連の騒動は、思わぬ短期間での決着となりました。たった24時間ほどの造反事件について、識者に聞きました。
服部倫卓・北海道大学教授(ロシア地域研究)に聞く
ワグネルのモスクワへの進軍停止には、ベラルーシのルカシェンコ大統領が「仲介役」を果たしたとされるが、プリゴジン氏の処分に困ったロシアのプーチン大統領が、ルカシェンコ氏の面目を保ちつつプリゴジン氏を押しつけた、といった可能性も考えられるのではないか。
まず、ルカシェンコ氏とプリゴジン氏に対話ルートがあったのかという疑問がある。ロシアとベラルーシの関係が冷え切っていた2020年には、ルカシェンコ氏は国内のワグネル戦闘員を逮捕し、ドンバス地域で戦闘に加わった者のウクライナへの引き渡しを検討する立場も示していた。
プリゴジン氏の行いは国家反逆の大罪で、ロシア国内に彼の身柄があれば訴追対象となる。だが、プリゴジン氏はウクライナ侵攻をはじめ、プーチン政権の汚れ仕事を全て引き受けてきた存在だ。プーチン氏にとっては恩義もあれば、政権の一番汚いことを知りうる人物でもある。
プリゴジン氏と軍事的にぶつ…
- 【視点】
専門家の方々に怒られそうで控えていましたが、来年プーチン氏が大統領選勝利とのシナリオに乱れも…という服部さんのご指摘を見て書こうかと。「プリゴジンの乱」で私が思い出したのは、1991年夏のモスクワでのクーデター未遂です。停滞する社会主義大国
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