酸素切れる96時間迫り捜索懸命 タイタニック号探索で不明の潜水艇

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ニューヨーク=遠田寛生
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 豪華客船タイタニック号の残骸を見に行くツアーに向かった米潜水艇が行方不明になった事故で、米東部時間22日朝(日本時間22日夜)、緊急用の酸素の残量があるとされる96時間が経過した。米国やカナダなどが24時間態勢で捜索しているが、海中で探知した音も解明されず、厳しい状態が続いている。

 消息を絶ったのは潜水艇「タイタン」。米沿岸警備隊によると、18日午前8時ごろ出港し、潜水から約1時間45分後に通信が途絶えた。同日午後3時に戻る予定だった。

 運営会社「オーシャンゲート」によると、タイタンは全長6・7メートルで水深4千メートルまで潜水できるという。タイタニック号は1912年、氷山に衝突し、海底3800メートルに沈んでいるとされる。英国やパキスタンの富豪ら5人を乗せた潜水艇は、暗黒の深海に眠る残骸を見るツアーに出た。

 米沿岸警備隊は21日午後、記者団に対し「極めて複雑な捜索を行っている」と述べた。カナダのP3哨戒機が20日と21日朝、海中から「打撃音」のような音を探知した。そこで音の発生源とみられる地域を中心に捜索を展開。航空機による上空からと、海中では2機の無人潜水機(ROV)を使って調べている。

 しかし、「音の発生源が何かを特定するのは極めて難しい」。ほかの生物のものなど完全に違う音の可能性も除外できないという。音のデータは米海軍や専門家らとも共有して分析を進めている。

 捜査本部は、捜索範囲を約1…

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