駅員がコツコツと恐竜アートづくり その材料は

永井啓子
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 福井県勝山市の玄関口、えちぜん鉄道勝山駅に、同市で発見された肉食恐竜フクイラプトルが現れた。黒っぽい紙製のようだが、よく見ると、「勝山」「福井」といった文字がびっしり――一体、何で作られているのか。

 駅員の横山利男さん(58)が教えてくれた。答えは使用済みの切符。横山さんのアイデアで、駅名だけを切り取って、貼り合わせているという。気が遠くなるような作業だが、昨年12月から1人でコツコツ取り組んでいる。

 きっかけは、同市にある県立恐竜博物館が増改築工事で休館することだった。利用客の大幅減が見込まれ、会社から手の空いた時間の有効活用を促された。そこでひらめいたのが、回収後に廃棄される切符を再利用した恐竜づくりだった。

 待合室に恐竜を飾れたら――そんな思いと、「お金をかけず、SDGs(持続可能な開発目標)に配慮して何かできないか」との思いが重なった。

 パソコンでフクイラプトルの画像をドット絵に変換し、1センチ方眼で再現した。黒地に白抜きされた駅名部分は縦1センチ、横2センチでちょうど2マス分。「これでいける」と思った。

 黒が主体の色合いは、国の登録有形文化財になっている駅舎のシックな雰囲気にもぴったりだと考えた。

 改札横の事務室で、列車の発着の合間に、切ったり貼ったり。頭と胴体の部分は出来上がり、しっぽにとりかかった。

 ただ、完成時期ははっきりと見通せない。7月14日に恐竜博物館がリニューアルオープンするからだ。同鉄道は「恐竜列車」を走らせる。利用客が増え、駅が混雑すれば、作業に充てる時間は限られる。

 とはいえ、待合室の壁で、未完のフクイラプトルはすでに威容を誇っている。「駅に降り立って最初に目に入るので、恐竜のまちに来たことを実感してもらえるのでは」。最近、カメラに収めていくお客さんが増えてきたという。

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