男女平等、日本は世界125位で過去最低 ジェンダーギャップ報告書

和気真也
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 世界経済フォーラム(WEF)は21日、世界各国の男女格差の状況をまとめた2023年版「ジェンダーギャップ報告書」を発表した。日本は男女平等の達成度合いで、調査対象となった146カ国のうち125位(前年は116位)。経済と政治分野の遅れが響き、2006年の発表開始以来、順位は最低だった。

 WEFは教育・健康・政治・経済の4分野で男女差を分析。男女が平等な状態を100%とした場合、世界全体の達成率は68・4%で前年から0・3ポイント改善した。女性の労働参加などが鈍ったコロナ下で、悪化していた達成率はコロナ禍前の水準まで回復した。ただ、今の是正ペースでは、平等の実現には131年かかると試算している。

 日本の達成率は64・7%。衆院議員や閣僚に女性が少ない政治分野は世界138位。収入や企業の役員・管理職の割合での平等も進まず、経済分野も世界123位と低迷している。

 男女平等に最も近かったアイスランドは達成率91・2%で、14回連続で首位だった。2位はノルウェー(87・9%)、3位フィンランド(86・3%)、5位のスウェーデン(81・5%)と北欧諸国が上位に並んだ。

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    本田由紀
    (東京大学大学院教育学研究科教授)
    2023年6月21日8時52分 投稿
    【視点】

    ジェンダーギャップ報告書で用いられている指標は限られてはいるが、多数の国の比較や時系列的変化を見る上では一定の有用性がある。146か国中125位、前年と比べても大きくランクが低下して過去最低という日本の現状から目を背けることはできない。

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    藤田結子
    (社会学者)
    2023年6月21日10時52分 投稿
    【視点】

    一言だけ述べると、少子化の要因としても、労働生産性の低さの要因としても、人びとの生きづらさの要因としても、根強い性別分業やジェンダー不平等が繰り返し指摘されてきましたが、誰が何のために「伝統的な」、家父長制的な制度や考え方に固執しているので

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