国立大の付属小学校、なぜ抽選? 狭き門の「エリート化」に危機感も

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田渕紫織

 国立大学付属小学校の多くは、入学者選抜の過程に抽選を採り入れている。首都圏では、筆記や運動などの「検査」の前後に、1度ずつ抽選をする学校も。その理由と背景は。そして何が、より良いあり方なのか。(田渕紫織)

 東京都豊島区に住む小学1年生の女児は昨秋、都内の国立大付属小3校を受験し、いずれも1次抽選で落選した。40代の会社員の父親は「『くじ引きだから、(落選したら)テストは受けられない可能性があるよ』と伝えて覚悟していましたが、さすがに落胆していました」と振り返る。

 受験対策のため、保育園の年中のころから、両親のすすめで幼児教室と体操教室に通った。平日の夜は1時間~1時間半、受験対策で問題集を解いたり、折り紙を折ったりした。

 家の近くにある私立小も併願しており、そこに合格。そのまま進学した。父親は「試験で落ちたわけではないので、子どもを納得させづらかった」。学校側からは、ある程度人数を絞り込まないと試験で子どもをじっくりと見られないため、抽選をしていると説明を受けたという。

なぜ抽選?首都圏の各校に聞くと

 都内の国立大付属小は、筆記や口頭試問、運動などの検査の前後に抽選をする学校がある。1回目の抽選の倍率が、10倍を超える学校もある。

 なぜ抽選を採り入れているのか。

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 筑波大付属小(東京都文京区…

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