アクアラインが変動料金を試験導入へ 渋滞緩和対策としては全国初

近藤咲子
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 千葉県木更津市川崎市を結ぶ東京湾アクアライン(15・1キロ)の渋滞を緩和するため、国土交通省と千葉県などは20日、通行料金を時間帯に応じて変動させる仕組みを試験導入することを決めた。7月下旬から来年3月末まで実施し、本格的な導入も検討する。

 現行の通行料金は、ETC搭載の普通車で800円。新たな仕組みでは川崎方面の上り線で、土日祝日の午後1~8時は400円上乗せして1200円に、午後8時~翌午前0時は200円割り引いて600円にする。7月22日~来年3月末の予定で、渋滞緩和の効果や観光への影響を調べる。

 東京湾を横断するアクアラインは1997年に開通。当初は普通車で4千円だったが、2009年には国と県の補助金でETC搭載車の通行料金を800円に値下げした。通行量の増加傾向が続き、08年度に約2万台だった1日あたりの通行台数は、22年度に初めて5万台を突破した。特に、休日午後の神奈川方向は、房総半島から首都圏に帰るレジャー客で混雑が著しく、課題となっていた。

 通行料を時間帯で変動させる仕組みは「ロードプライシング」と呼ばれる。国交省によると、国内の有料道路で導入した例は、21年の東京五輪パラリンピック期間中に大会関係車両がスムーズに移動できるよう首都高速道路で実施しただけで、渋滞対策としての導入は全国でアクアラインが初めて。「今回の効果を検証した上で、他地域への導入も含めて検討したい」(国交省担当者)としている。

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