十一面観音坐像など井口地区の観音様を一堂に 滋賀県長浜市で企画展

藤井匠

 滋賀県長浜市高月町渡岸寺の「高月観音の里歴史民俗資料館」で、企画展「井口(いのくち)の歴史と文化財」が開かれている。同町井口は、中世に栄えた天台宗延暦寺領の荘園・富永庄(とみながのしょう)の中心地だった。地元の日吉神社や理覚院などに伝わる仏像や史料などを公開する。8月7日まで。

 同資料館によると、井口の集落は、高時川の井堰(いせき)を管轄し、旧伊香郡南部(同市高月町域)などの井口(取水口)だったことから、井口村と呼ばれるようになったという。

 展示されるのは13件、45点。地元に伝わる観音像4体が初めて一堂に並ぶ。

 日吉神社蔵の十一面観音坐像(ざぞう、像高29・8センチ)は寄木造(よせぎづくり)。神仏習合期の遺品とされる小像群「日吉山王(ひえさんのう)二十一社本地仏」(室町~江戸期、市指定文化財)のうちの1体だ。

 他の3体は、日吉神社蔵で江戸期の十一面観音立像▽理覚院蔵で室町期の聖観音立像▽同院蔵で江戸期の十一面観音立像。

 戦国大名・浅井長政の母方の祖父、井口弾正(だんじょう)の肖像画も特別公開する。理覚院は井口氏の菩提(ぼだい)寺。

 7月22日午後1時半から展示説明会がある。入館料は大人300円、小中学生150円(長浜市、米原市の小中学生は無料)。火曜と祝日の翌日は休館。問い合わせは、高月観音の里歴史民俗資料館(0749・85・2273)…

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