突然の解散先送り、首相判断なぜ 公明と亀裂、世論…不安材料重なり

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 岸田文雄首相が、今国会中の衆院解散・総選挙の見送りを表明した。「勝てるタイミング」での解散を探ったが、公明党との関係悪化など不安材料を解消できなかった。重要法案が成立するメドも立ち、野党の牽制(けんせい)に用いてきた「解散カード」をいったん引っ込め、改めて解散の時期を探る構えだ。

 15日夕、官邸のエントランスホール。記者団の前に自ら進んで立った首相は、立憲民主党が提出方針を固めた内閣不信任決議案を、正面から否決する考えを示した。不信任に対抗する形での衆院解散は否定した。

 首相が解散の可能性を明確に打ち消すのは、異例だ。裏を返せば、そうしなければならないほど、永田町には「解散風」が吹き荒れていた。

「ポスター3種類つくった」浮足立っていた党内

 会期末が近づくなか、自民党…

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    前田直人
    (朝日新聞デジタル事業担当補佐)
    2023年6月16日7時17分 投稿
    【解説】

    選挙マニアとしてのまったくの私見ですが、このタイミングの解散総選挙は、岸田首相にとっても自民党全体にとっても、適切なタイミングとはとても言えません。 まず、自公が完全に組んで組織力を総動員し、野党が共倒れすることを狙う「漁夫の利」作戦

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    藤田直央
    (朝日新聞編集委員=政治、外交、憲法)
    2023年6月16日8時5分 投稿
    【視点】

    内閣不信任案を出されただけで首相(内閣)が衆院を解散できるとは憲法や法律に書かれていませんが、三権分立の観点からありかなと思うのは、提出されれば可決されるか、そこまでいかなくても与党からかなりの賛成者が出て、政権運営が困難になるおそれがある

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