英女王が後藤象二郎に贈ったサーベル発見 パークス襲撃事件で功績
編集委員・宮代栄一
明治新政府が発足したばかりの1868年、駐日英国公使が襲われた「パークス襲撃事件」で、公使を守った土佐藩士、後藤象二郎(1838~97)に英女王が贈ったサーベルが見つかった。長年行方不明だったが、東洋の古典籍や古美術を収蔵する静嘉堂文庫(東京都)で書庫の整理中に発見された。
サーベルは長さ95・7センチ。当時の英国陸軍が使っていた剣と同型式の儀礼用とみられる。湾曲した鉄製の刀身には唐草文様が表現され、中央部には事件が起きた日付や「後藤象二郎に贈呈する」との文字が英語で刻まれる。柄(つか)にはライオンの頭の象牙彫刻もある。
事件は1868年3月、駐日英国公使だったハリー・パークスが明治天皇に謁見(えっけん)するために京都御所へ赴く途上で発生。2人の攘夷(じょうい)派の志士が隊列を襲撃したが、新政府の接待係として護衛していた土佐藩士の後藤象二郎らが応戦し、パークスは無事だった。
サーベルは感謝のしるしとし…