「違憲」と言わず、「違憲状態」とする意味は? 同性婚訴訟の判決

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遠藤隆史 金子和史

 同性婚が認められないのは憲法違反だとして、九州の同性カップルが国を訴えた訴訟の判決で、福岡地裁は8日、「違憲状態」だとする判決を言い渡した。同性婚をめぐる訴訟では東京地裁に続いて2件目。「違憲」と断じる判決もある中、「違憲状態」にはどんな意味があるのか。

 裁判所がこれまで「違憲状態」という判断を使った例としては、国政選挙での投票価値の不均衡をめぐる「一票の格差」訴訟がある。

 有権者が少ない地域と、有権者が多い地域では、議員の当選に必要な票数が大きく違う。「一人一票」の投票価値に差が生じていることが憲法違反だとして、繰り返し起こされてきた訴訟だ。

 これに対する判決で、裁判所はたびたび「違憲状態」を使ってきた。

裁判所が国会へ送る「メッセージ」

 一票に大きな格差があること…

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この記事を書いた人
遠藤隆史
東京社会部|最高裁担当

司法、労働、福祉