風力発電計画の契約は「町の権利放棄」 住民らが町長を提訴 宮城

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根津弥
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 宮城県加美町で建設が進んでいる風力発電事業をめぐり、猪股洋文町長が事業者と結んだ契約は議会の議決を経ず町の権利を放棄していて違法だとして、町民15人が6日、事業者に町有地を使わせないよう、猪股町長に求める訴訟を仙台地裁に起こした。

 石油元売り大手ENEOS(エネオス)のグループで、再生可能エネルギー事業などを手がける「JRE宮城加美」(東京)は、同町漆沢地区の山林などで風力発電所の建設を計画。10基の風車を建て計約2万3千世帯分の電気がつくれる発電所を2024年4月に運転開始させるとしている。

 予定地の近くには、大崎市など10市町村に上水道を供給する漆沢ダムがある。原告側は訴状で、森林破壊土砂災害、土砂の流出による水環境への影響が懸念されると指摘。そのうえで、同社が町有地で工作物を所有できるよう、20年に猪股町長と結んだ地上権契約を問題視した。

 具体的には、災害や事故が起…

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