COFFEEはCO2FREEへ 水素使って焙煎、UCCが特許出願
森直由
【兵庫】UCC上島珈琲(神戸市中央区)などは先月、水素を熱源にしたコーヒー豆の焙煎(ばいせん)技術の発明について、特許庁に特許を出願した。二酸化炭素(CO2)を発生させない、同社によると国内初の手法という。
産業用熱設備の製造開発を手がける「ヒートエナジーテック」(横浜市)と共同で5月2日付で出願した。
UCCによると、コーヒー豆を加熱して煎る際には一般的に天然ガスが使われ、CO2を排出する。同社で「水素焙煎機」を新たに開発し、CO2を出さない水素に熱源を置き換えることに成功した。
コーヒーの味も天然ガスを使った場合とほぼ変わらない段階まで調整できたという。
5月のG7広島サミットの国際メディアセンターでは、世界各国の報道関係者らに水素焙煎のコーヒーを提供した。試飲した人たちから「水素で焙煎しているとは分からない」「雑味がなくクリアな味」などの感想が寄せられたという。
年内には水素で焙煎したコーヒーのテスト販売を始める予定だ。UCCの担当者は「将来的にはほかの食品などにも応用して、CO2の排出削減に貢献できるのではないか。現時点では水素のコスト高の問題もあるが、来年以降に早期の本格販売を目指していきたい」と話す。