羽生善治九段、七冠・藤井聡太名人の将棋「理解できたら、といつも」

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聞き手・北野新太

 将棋の藤井聡太竜王(20)=王位・叡王・棋王・王将・棋聖と合わせ六冠=が1日、長野県高山村で指し継がれた第81期名人戦七番勝負第5局で渡辺明名人(39)に勝ち、シリーズ成績4勝1敗で名人を奪取した。七冠達成は1996年に羽生善治九段(52)が全七冠(現在は全八冠)独占を成し遂げて以来、史上2人目。羽生九段に「藤井七冠」について聞いた。

 ――藤井新名人の誕生について。

 「もう他棋戦で大きな実績を残されているので、名人戦で結果を残しても何の不思議もないと思っていました。今回の七番勝負の内容を見ると、渡辺さんも決して悪い出来ではなかったと思います。けれど、藤井さんの指し回しはさらに素晴らしかったと思います」

 ――定跡型ではなく力戦型で争われるシリーズでした。

 「作戦においては渡辺さんがイニシアチブを取り、藤井さんが追随していくことが多かったです。直前の棋王戦五番勝負も2人によるカードでしたので、名人戦はどのような戦いになるのかと注目していました。角道を止めてからじっくりとした将棋を目指す中で、藤井さんは先手後手に限らず、常に隙あらば仕掛けていく心づもりで指されていたのが印象的でした」

 ――将棋の質や精度などは変化していると感じますか。

 「細かいところでの技術的な…

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