藤井聡太新名人の背中が荒ぶっていた夜 師匠・杉本昌隆八段が寄稿

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 将棋の藤井聡太竜王(20)が1日、第81期名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)を4勝1敗で制し、20歳10カ月で史上最年少の名人となった。師匠の杉本昌隆八段(54)が、これまでの歩みを振り返りながら祝福した。

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 渡辺明名人を4勝1敗で下した藤井聡太六冠が史上最年少で名人を獲得するとともに、七冠を達成。将棋界において歴史的な一日となった。藤井聡太新名人誕生を心より祝福したい。

 思い起こせば、私が聡太少年を弟子にしたのは今から11年前で彼がまだ10歳の頃。小学1年の頃から知っていたが、その才能は眩(まばゆ)いほどであった。あの日からこの少年の未来を疑ったことは一度もない。必ずトップ棋士になり、タイトルをいくつも取ると確信していた。それでもなお、今の成長スピードの速さにはやはり驚いてしまう。

 ここまで順調に駆け上がったようだが、それでも挫折や壁はあったように思う。名人戦の予選にあたる順位戦2年目のC級1組では、9勝1敗の好成績ながら順位の差で昇級を逃している。

師匠の杉本昌隆八段が「一人で帰らせてはいけない」と感じた藤井新名人の大逆転負けの日。そんな日も、藤井青年は「常人と違う」姿を見せてくれたそうです。

 初対戦から6連敗を喫した豊…

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