エルドアン大統領は、なぜ「逆風」で勝てたのか トルコ外交に変化は

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聞き手・高久潤
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 トルコ大統領選の決選投票が5月28日にあり、現職のエルドアン大統領が当選しました。約20年にわたるエルドアン氏の長期政権は、さらに5年間続くことになります。ロシアのウクライナ侵攻をめぐって両国の仲介役を務めるなど、国際政治の舞台でも独自の存在感を示してきたエルドアン氏。一時は劣勢とも報じられながら、なぜ勝てたのか。政策に変化はあるか。現代トルコ地域研究を専門とする、日本貿易振興機構(JETRO)アジア経済研究所の海外研究員、今井宏平さんに聞きました。

 ――エルドアン氏は、経済政策や2月の大地震での対応を批判され、厳しい選挙になると予想されていました。なぜ勝てたのでしょうか。

 エルドアン氏の支持層の中心である、イスラム保守層とトルコ民族主義層をつなぎとめられたことが大きいです。確かに、トルコは高いインフレ率で経済的に厳しい状況が続いています。地震による被害を失政の結果とする声が大きかったのも事実です。

 記事の後半では、欧米と軍事同盟関係にありながら、ロシアとも良好な関係を保っているエルドアン氏の外交姿勢がどう変わりうるかについても紹介しています。

■「継続と信頼」VS国民の融…

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