クレムリンへのドローン攻撃、ウクライナ関与の報道 米国は懸念
ワシントン=下司佳代子
ロシア大統領府のあるクレムリンが今月3日にドローン(無人機)攻撃を受けた事件で、米紙ニューヨーク・タイムズは24日、ウクライナの特殊軍事部隊か情報部隊が計画した可能性が高いという複数の米当局者の見方を報じた。ロシアに攻撃を拡大させる口実を与えたくない米国は、こうした一連の秘密作戦に懸念を抱いているとしている。
同紙によると、米国の一部の当局者は当初、ロシアによる自作自演を疑っていた。だが、通信傍受により、米国はロシア当局者が攻撃はウクライナのせいだと非難したり、ウクライナ当局者が攻撃は自国によるものだと述べたりしていたことを確認した。具体的に誰が計画に関わったかを特定する証拠はなく、ウクライナ政府が攻撃を直接承認したことについての確信度は「低い」という。
米政府や軍の高官らは、ドローン2機はモスクワ周辺から発射され、搭載された爆発物は少量だったとみている。このため、爆発は実際の脅威よりも心理的なショックを与え、プーチン氏の「無敵のオーラ」を突き崩すとともに、ウクライナ側の士気を高める目的だったとみているという。
同紙によると、米国の情報機…