姉さんかぶりで新芽を手摘み 後楽園で伝統の「茶つみ祭」
小沢邦男
岡山市北区の後楽園で21日、新茶の季節の到来を告げる「茶つみ祭」が開かれた。紺がすりの着物に手ぬぐいを姉さんかぶりした娘さんたちが、新芽を手で摘む昔ながらの様子を披露。汗ばむ陽気の中、来園者を笑顔にしていた。
後楽園の茶畑は約3千平方メートル。開園当初から藩主のために茶葉が栽培されていたという。茶つみ祭は1956年から続く恒例行事。茶所である美作市海田地区の「茶つみ踊り保存会」の中高生15人が参加し、音頭に合わせて輪になって踊る「茶つみ踊り」を披露した。
続けて茶畑に入って新芽摘みを実演。来園者から無数のカメラを向けられる中、少し緊張しながらも丁寧に手で摘んでいった。昨年に続き参加した中学2年の山下恭佳さんは「地域の伝統に触れる数少ない機会なのでもう一度やってみたいと思った。来年も参加したい」と笑顔をこぼした。
摘んだ茶葉は海田地区で加工された後、「お庭そだち」の名で6月から園内などで販売される。