「広島でこれだけしか書けないか」 G7声明にサーロー節子さん失望

有料記事

花房吾早子 岡田将平
[PR]

 カナダに住む被爆者サーロー節子さん(91)は今月、生まれ育った広島市に帰郷した。コロナ禍で3年半ぶり。久しぶりに目にする地元に、G7首脳が集まった。

 「広島まで来てこれだけしか書けないかと思うと、胸がつぶれそうな思い。死者に対して侮辱。死者に対して大きな罪だった」

 20日に発表されたG7首脳声明を読み、失望した。

 サーローさんは13歳の時、広島市で被爆。広島女学院高等女学部2年だった。多くの同年代が命を奪われた。おいは4歳で被爆死した。「焼けただれて、溶けた肉のような感じだったんです」。広島で過ごす日々で、そんなおいたちのことも思い起こした。

 平和記念資料館を見学するG7首脳に、期待していたことがあった。

 「政治家としてではなく、衣を脱いで、裸でもいい。人間と人間のふれあいとして見てほしい」

ここから続き

 でも、首脳が何を見て何を感…

この記事は有料記事です。残り685文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    三牧聖子
    (同志社大学大学院准教授=米国政治外交)
    2023年5月21日21時33分 投稿
    【視点】

    日本で開催したサミットの成功に泥を塗るのか、とサーローさんや被爆者の批判や失望に耳を傾けないどころか、批判する向きすらあるようだ。大変残念だ。被爆者には、平和への格別の想いや考えがある。平和を誓った国家として、被爆者の声や批判には常に真摯に

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    小林恭子
    (在英ジャーナリスト)
    2023年5月22日20時47分 投稿
    【視点】

    イギリスから、G7の報道を見ていましたが、メインのトピックとしてウクライナ戦争にどれだけ武器を供与できるかに力点が置かれていたように思います。 よりによって、広島で、武器供与の話し合いがなされるとは・・・。日本人として大変残念でした。

    …続きを読む
G7広島サミット

G7広島サミット

日本や米国など主要7か国の首脳が広島に集い、意見を交わします。G7を知れば世界がわかる。あなたの知識をクイズで腕試し![もっと見る]