「暑すぎて住めない」危険な地域に20億人、温暖化進めば 英研究

有料記事気候変動を考える

市野塊

 今のままの温暖化対策では、今世紀末までに世界の5人に1人が、住むのに適さない危険な暑さにさらされる――。こうした研究結果を、英エクセター大学などのチームが発表した。人間が住むために適した気温の地域が狭まっていくという。

 温暖化対策の国際ルール「パリ協定」では、産業革命前からの世界の平均気温の上昇を1・5度に抑える目標を掲げている。しかし、現在の対策のままであれば2・7度上昇すると推定されている。

 チームによると、歴史的に地球で最も多くの人間が集まっている地域の平均気温は13度程度。穀物や家畜の多さ、国内総生産(GDP)を元にした豊かさもこれらの地域に集まっており、「人間の生存に適した気温」としている。

 しかし、現在も約6千万人が、平均気温29度以上で熱中症などを引き起こす危険な暑さにさらされていると分析。このまま世界の平均気温が2・7度上昇すれば、その時期の世界の人口の22%にあたる20億人に増えるとした。

 さらに、3・6度以上になると、世界の人口の半分まで広がるという。一方、1・5度に抑えられた場合は、危険な暑さにさらされるのは4億人に抑えられるという。

 国別にみると、2・7度上昇…

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