薩摩潜入の密偵の報告書発見 徴税や沿岸警備の状況報告、偽情報も

有料記事

森北喜久馬

 江戸時代初期、熊本藩が薩摩に派遣した「密偵」の報告書が見つかった。熊本大学が18日、発表した。鹿児島城が水害で被災した状況や、禁制にしていた一向宗への取り締まり事情など、これまで知られていなかった情報が記されているという。

 報告書は慶安4(1651)年2月27日付で、目付の「村田門左衛門」の署名がある。熊本藩の筆頭家老を務め、八代城を代々任されていた松井家に残された3万6千点の古文書の中にあった。

 鹿児島藩の島津家は、江戸幕府にとって最も警戒すべき相手。島津家を抑えることを幕府から期待されていた熊本藩は、薩摩の情報をいち早く探り、幕府に報告することに力を入れていた。その最前線が松井家だった。

 密偵の村田は正月17日~2月25日、薩摩で情報を集めた。

 18項目にわたる報告は、鹿…

この記事は有料記事です。残り493文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません