「偲べ戦線 求めよ国債」安来市で戦時下の回覧板の文書展示・第2弾

榊原織和
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 「偲(しの)べ戦線 求めよ国債」「実弾射撃施行ニツキ警戒ノ件」。島根県安来市立歴史資料館が、太平洋戦争中の回覧板の文書を展示する「回覧文書に見る戦時下の人々のくらし その2」を開催中だ。

 文書は安来市の旧広瀬町の民家で見つかったもので、寄贈を受けた同館が約530枚を保存している。今回はその文書の一部を公開する展示の第2弾。

 1942年6月18日の日付で広瀬町長名で発出された手書きの文書は、無料の浪曲会のお知らせ。だがテーマは「聖戦貫徹講演」で、娯楽といっても戦争に関わる内容だ。広瀬警察署の文書には「規定外ラジオ受信機をお持ちの方は至急届出ないと罰せられます」と書かれている。敵国のラジオ放送を国民に聞かせないため、外国の放送を受信できるラジオを持っていると処罰を受けると警告する。

 東京の大政翼賛会から発行された活字印刷の文書は、果物の皮や魚の骨も粉末にすれば食料になると解説している。平原金造館長は「くずまで食べる工夫が美徳とされたり、弾丸にするために国債を購入するよう言われたりすることを当たり前に受け入れていた当時の雰囲気がよく分かる」と話す。

 展示文書は約20枚。9月25日まで。入館料は大人210円など。火曜休館。(榊原織和)

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