神宮外苑再開発のしくみ「誰も想定できなかった」 都市計画の専門家

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 神宮球場や秩父宮ラグビー場の建て替えを含み、3月に着工された明治神宮外苑地区(東京都)の再開発事業に対し、批判が続いている。多数の樹木伐採や超高層ビルの建設を疑問視する声が多いが、計画は法令にのっとって作られ、都が認可したものだった。なぜ、今になって批判が広がるのか。都市計画の仕組みに問題を見いだす静岡文化芸術大の松田達・准教授(建築学・都市学)に話を聞いた。

コンセプトが読み取れない再開発計画

 ――明治神宮外苑地区の再開発計画をどうみていますか。

 あくまで建築・都市を専門とする立場から、全体像のパースを見たときの印象ですが、良い悪いとは別に、「この開発によって未来が変わる」ということがすぐに感じられず、どのような未来に向かおうとしているのかが見えづらい内容には感じました。特にこの規模の、公共的でもあるプロジェクトとして、都市的コンセプトがよく読み取れませんでした。

 ――どういうことですか…

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    小松理虔
    (地域活動家)
    2023年5月17日15時0分 投稿
    【視点】

    記事中で「都市を市民で議論しながらつくるという考え方が十分共有されていない」と指摘されていますが、福島の震災復興についても同じ課題があるなと思いながら読みました。まだまだ「そういうものは役場や政治家が考えるもの」というマインドが強いのかもし

    …続きを読む