会見を避けたジャニーズ、閉鎖性浮き彫り 関係者「口べたで無理」

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滝沢文那 編集委員・後藤洋平 島崎周
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 大手芸能プロダクション「ジャニーズ事務所」が、創業者・ジャニー喜多川氏(2019年に死去)の所属タレントらへの性加害疑惑の問題で厳しい視線にさらされている。3月に海外メディアが報じて以降、真相を求める声は日増しに高まり、事務所は謝罪に追い込まれた。一方、事務所側は、事実確認は「容易ではない」としており、実態解明がなされていないとの批判が収まる気配はない。

CMにタレント起用の企業「議論しなければいけないフェーズ」

 「世の中を大きくお騒がせしておりますこと、心よりおわび申し上げます」。黒いジャケットに身を包んだ女性が苦渋に満ちた表情で、3度「おわび」を口にし、4度頭を下げた。

 日本のエンターテインメント界に一大帝国を築いた大手芸能事務所で起きた創業者の性加害疑惑。事務所が取った対応は、喜多川氏のめいで、現社長の藤島ジュリー景子氏が登場した約1分間の動画と、見解と対応について一問一答形式で作った藤島社長名の書面を公式サイトで公表するというものだった。

 性加害疑惑を巡っては、週刊文春が1999年10月から、喜多川氏による所属タレントへの『セクハラ』についてキャンペーン報道を展開。この記事をめぐる裁判で、記事の重要部分を真実と認定した高裁判決も確定した。それでもジャニーズは沈黙していた。

 それが一転、3月に英公共放送BBCが喜多川氏の未成年者への性的虐待疑惑を取り上げた約1時間のドキュメンタリーの放映と、元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんによる被害の訴えで、SNSを中心に、急速に真相解明を求める声が噴出。ジャニーズを揺さぶった。

 「起用しつづけるか議論しなければいけないフェーズに来ている」。タレントをCMに起用しているある企業の担当者は朝日新聞の取材にそう語る。また、民放幹部は、タレントが出演するテレビ番組からスポンサー企業が降りる動きが相次げば、「番組は続けられない。そうした動きが出るかどうかだ」と事態を注視する。

 また業界関係者によると、現…

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    たかまつなな
    (時事YouTuber・笑下村塾代表)
    2023年5月15日22時18分 投稿
    【提案】

    ジャニーズ事務所をCMに起用している企業の担当者は「起用しつづけるか議論しなければいけないフェーズに来ている」と取材に答えている。スポンサー企業のこのような声は、もっと本音ベースで聞きたい。 ジャニーズ事務所のタレントは多くの会社のス

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