緊急避妊薬「市販化を」 異例のパブコメ4万6千件、賛成の声多く
避妊の失敗や性暴力による望まない妊娠を防ぐ「緊急避妊薬」を、医師の処方箋(せん)なしに買える「OTC医薬品」にするかどうかについて、厚生労働省は12日、約4万6千件のパブリックコメント(パブコメ)が届き、ほとんどが賛成だったことを明らかにした。ただ、同日開かれた厚労省の専門家会議では、OTC化に向けた最終報告書までまとまらず、議論は継続となった。
緊急避妊薬は排卵を遅らせる効果がある。避妊の失敗や性暴力などによる望まない妊娠を防ぐため、性交後72時間以内に飲むと、8割の確率で避妊できるとされる。現在は、医師の処方箋が必要となり、厚労省のサイトでは、対面診療が可能な医療機関やオンライン診療に対応する医師の一覧を掲載している。ただ、休日や夜間は薬が手に入りにくいといった課題がある。
また、プライベートにかかわることを話すという心理的なハードルもあるとして、処方箋がなくても薬局で買えるOTC医薬品に変更を求める声が多かった。
専門家会議では、OTC化については、「アクセスを上げるという意味では非常にいい方法」とし、「予期せぬ妊娠を防ぎたいという願いは、女性にとっての権利に関わる問題だ」という認識が共有されていた。
パブコメは、昨年12月末から1カ月間実施した。通常は10件弱だが、今回は異例の4万6312件が届いた。そのうち、OTC化の反対は412件で、賛成が4万5314件だった。
細かい課題については、意見…