国交省OBの人事介入、説明に矛盾 「アポお取りしました」のメール

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笹山大志 東郷隆 編集委員・伊藤嘉孝
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 国土交通省OBの人事介入問題で二つの疑問が浮上している。天下りをめぐる現役職員の関与の有無と、OBによる組織的な活動があったのかどうか。国交省はいずれも否定してきたが、矛盾する内容が会社側の検証で明らかになった。野党は追及を強め、内閣人事局も対応に動き始めた。

 10日の衆院国土交通委員会。立憲民主の城井崇議員は斉藤鉄夫国交相に迫った。

 「大臣の虚偽答弁の可能性を指摘せざるをえません」

 空港ビルの運営などを展開する東証プライム上場の「空港施設」(東京都)で2021年、元国交省東京航空局長の山口勝弘氏(64)が国交省側の意向として副社長ポストを自ら要求し、就任。さらに元国交事務次官で東京地下鉄(東京メトロ)会長の本田勝氏(70)が22年、山口氏を次の人事で社長にするよう同社に求めていた。

 斉藤氏はこれまで一連の問題について、関係者への聞き取りで、山口氏の「航空局や国交省の現役の方と話をしたことは一切なかった」という説明を踏まえ、「しっかり調査した。現役職員が関与しているという疑いは全くない」と答弁していた。

現役職員と「話をしたこと一切ない」はずが

 だが、4月28日に公表され…

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この記事を書いた人
東郷隆
福島総局
専門・関心分野
東日本大震災、原発事故、防災、平和、文化