第3回トルコ大統領選で変わるか 得意先ロシアとの切っても切れない関係

有料記事建国100年の選択 トルコ大統領選

イスタンブール=高野裕介

 中東の地域大国トルコで14日にある大統領選・議会選は、結果次第で、ロシアによるウクライナ侵攻や、分極化する世界情勢に影響を与える可能性がある。ロシアとウクライナの仲介など、外交で存在感を示してきたエルドアン大統領(69)の勝敗に、国際社会の注目が集まっている。

 「前向きには考えていない」

 エルドアン氏の発言が世界を驚かせたのは昨年5月だった。

 ロシアによる同年2月のウクライナ侵攻を受け、北欧のフィンランドとスウェーデンは長年の軍事的中立の立場を転換し、北大西洋条約機構(NATO)に加盟することを決断。西側諸国に歓迎ムードが広がるなか、水を差したのが加盟国の一つであるトルコだった。

 トルコが持ち出したのは、自国からの分離独立をめざす少数民族クルド人らの非合法武装組織「クルディスタン労働者党」(PKK)などの存在だ。PKKを「テロ組織」とみなすトルコは、スウェーデンとフィンランドがPKKに活動場所を与えていると非難。その後、「テロ組織」の活動阻止や、「テロ容疑者」の引き渡しなどの譲歩を両国から引き出した。

 トルコは今年に入りフィンランドの加盟については認めたものの、スウェーデンについては今も加盟が実現していない。

「今は世界がトルコに耳を傾ける」

 エルドアン氏率いる与党・公…

この記事は有料記事です。残り2147文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません