岸田政権が官邸主導で立ち上げた「有識者会議」の運営を朝日新聞が調べたところ、すべてを傍聴できる会議は1割にとどまっていることがわかった。一方、各省庁の有識者による審議会は、6割以上で原則傍聴が可能だった。官邸での会議は警備上の課題もあるが、議論を深めるためにオンラインの活用などで公開するべきだといった見方も出ている。
4月27日、官邸大会議室であった「こども未来戦略会議」。関係閣僚ら10人と、オンライン参加含む有識者18人による約1時間の会議で、公開されたのは岸田文雄首相の締めくくりの発言部分だけだった。概要は終了後に後藤茂之全世代型社会保障改革担当相と事務方が会見で説明したほか、会議数週間後をメドに議事録が内閣官房ホームページに公表される。
非公開の理由を内閣官房は「委員に自由活発な議論をしてもらうため」と説明する。内閣官房が公表する「各種本部・会議等」のうち、政権発足後にできた民間有識者が入る会議は20あり、すべて傍聴できるのは官邸外で開いた二つだけ。「官邸で開く時はセキュリティーの問題もある」(内閣官房)などとして、公開を一部に限り、後日に議事要旨や議事録を公表するケースも多い。
「オープンな運営が大切」
ただ、こうした運営には異論…
- 【視点】
この記事で取材を受け、発言の一部が掲載されています。人数が多いという政府の懇談会とは、各界の意見を聴取する形をとることが政府側の目的でしょう。それは何もしないよりははるかに健全です。ただ、私自身も経験がありますが、委員同士の議論がないこうし
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