第6回「柳のような柔構造」岸田政権、危機対応に真価問われる 牧原出さん

有料記事岸田官邸の実像

聞き手・高木真也
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 岸田政権は歴代政権と比べ、どんな特徴があるのか。首相官邸と官僚との関係や、政治主導のあり方はどのように変わったのか。政治学、行政学が専門の牧原出・東大先端科学技術研究センター教授に聞いた。

 ――岸田文雄首相、岸田政権の特徴は何ですか。

 一言で言うと、柳のような柔構造、柔らかい構造だ。柳のように風に揺れながら折れることなく、風を受け止めていくのが持ち味ではないか。政権を奪取して、自分が引っ張っていくというタイプではない。

 安倍晋三元首相は敵と味方を分けて、敵を挑発することで味方を鼓舞するような政治手法だった。岸田首相は無理に敵をつくらず、刺激もしない。コロナ禍が長く続いて疲れている国民には、「戦う政治家」よりも受け入れられているのかもしれない。

 ――就任当初は「聞く力」を前面に出していましたが、最近は決断力を強調しているように見えます。

 確かに決断力をアピールしているように見えるが、流れの中で他に選択の余地がないものを選んでいるに過ぎない。

 例えば、防衛力強化のための…

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