マスク製造参入は「正解だったのか」 国難に立ち向かった町工場の今

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笹山大志
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 4月下旬、兵庫県尼崎市にある工場4階の薄暗い一室。「ROLLER MACHINE」とプレートが貼られた大型機械は稼働していなかった。

 新型コロナウイルスの感染拡大が国内で始まった3年前、海外から輸入したマスク製造装置だ。

 「マスク製造は他の経営者には勧められない。ビジネスにまったくならないので」

 ここでマスクをつくるショウワの社長、藤村俊秀さん(52)はそう漏らした。

 「駄目なら辞めたらいい」。そんな思いで製造に参入したという藤村さん。待っていたのは苦難の道のりでした。町工場のコロナ禍の歩みを取材しました。

 業務用洗浄機のメーカーで…

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    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2023年5月9日0時15分 投稿
    【視点】

    経済安全保障の議論では、コストがどうであっても供給の多元化を進め、リスクに備えるということが議論されている。それはそれで正しいのだが、この町工場のように、だれかがコストを負担しなければならず、その負担が「国難」に立ち向かうために利害を度外視

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