「本当は女の子がいいの!」 性別に揺れる子の節句、どう考えれば

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伊木緑

 生まれて最初の端午の節句。初孫だったその子に、祖父母は張り切ってこいのぼりとかぶとを買ってくれた。

 だが昨春のひな祭りから、福岡県の30代女性は男児として生まれた小学1年生の子どもを、女の子として祝うようになった。ちらしずしにはまぐりのお吸い物、ひなあられにひし餅、甘酒。そして、幼稚園の工作でつくってきたひな人形を飾る。

 「本当は女の子がいいの!」と激しく夜泣きしたのは、年中の春だった。

 幼稚園の帰り道、女の子向けの体操クラブから「かわいいね。体操やらない?」と勧誘された。「行きたい!」と目を輝かせた。「女の子のクラブなんだよ」と話してもまったく耳に入らない。「女の子になりたい」と泣いた。夜泣きはその夜だった。

 性別に揺れる子どもをどのように育てていけばいいのか。母親は全力で寄り添っています。

幼稚園では受け入れられず 男児用の下着に着替えて登園

 心当たりはあった。2歳の頃…

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男女格差が主要先進国で最下位の日本。この社会で生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。性別に関係なく平等に機会があり、だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダー〈社会的・文化的に作られた性差〉について、一緒に考えませんか。[もっと見る]