児童労働や強制労働からどう救う? 「日本も人ごとではない」

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聞き手・西尾邦明

 世界の各地で、戦争や軍政で命を落とす人や児童労働、強制労働に苦しむ人たちがいる。19日から広島で開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)では、人権侵害を防ぐための取り組みも議題になる見通しだ。長年にわたり人権問題に取り組むNGO「ヒューマンライツ・ナウ」副理事長の伊藤和子氏に聞いた。

 ――G7サミットに何を期待しますか。

 「人権問題の議論を深めてほしい。ロシアの侵略を受けているウクライナの人たちはもちろんだが、軍政が続くミャンマーでも市民の命が脅かされる状況が続いている。G7はこうした人権侵害に対抗する力強いメッセージを出すとともに、人権デューデリジェンス(DD)の法制化にも踏み込んでほしい」

 ――人権DDとは何でしょうか。

 「企業活動の陰で起こる人権侵害やその可能性について、企業が取引先も含めた事業活動を徹底的に調べ、必要な対応を取ることだ。行政の公共調達でも同じことが求められる。国連人権理事会が2011年に採択した『ビジネスと人権』に関する指導原則に基づくもので、G7で支持されてきたものだ」

 ――世界が重視する背景を教えてください。

 「多国籍企業が豊富な天然資…

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    杉田菜穂
    (俳人・大阪公立大学教授=社会政策)
    2023年5月6日8時0分 投稿
    【視点】

    児童労働や強制労働と聞いただけではどこか遠いところの話のように思えるかもしれないが、企業の取引先やサプライチェーン(供給網)での人権侵害、低賃金や劣悪な職場環境といった人権侵害も含めた人的資本への取り組みという枠組みで考えると身近な話だ。個

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