第6回授業中、対話遮る「ひろゆキッズ」の流行語 対立恐れ「いいね」追従

有料記事遮断の時代

世界では戦争や有事の危機、国内では政治家や著名人への襲撃事件が相次ぐ。不穏な空気が漂う中、自由にみること、きくこと、はなすことが遮られていないか。記者が各地を歩いた。

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 関西の小学校で昨秋、こんなことがあった。

 掃除の時間にふざけていた子を、別の子が「ちゃんとやってよ」と注意した。言われた子がおどけて言い返した。

 「それって、あなたの感想ですよね?」

 周りにいた子たちが笑った。注意した子は黙り込んだ。

 北海道の小学校の授業中。先生に指名された児童が発言した。すかさず、別の児童が「それって、あなたの感想ですよね?」。周りの子たちはニヤニヤ。

 最近、学校でこんな光景が珍しくないという。

 「それって……」は、匿名掲示板2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)の創設者で、ユーチューバーとしても知られる西村博之が、過去にテレビ番組で口にした言葉だ。

 ベネッセホールディングスが発表した昨年の「小学生の流行語ランキング」で1位。西村の言動をまねる子たちは「ひろゆキッズ」とも呼ばれる。

「それって、あなたの感想ですよね?」。子どもに諭しても繰り返す時、先生はどう指導しているのでしょうか。「ひろゆキッズ」現象について、ひろゆきさん本人にも見解を尋ねました。

 西日本のある小学校の男性教諭は、同僚と指導法を話し合った。

「ひろゆキッズ」への指導法 ひろゆきさん本人の見解は

 例えば、国語の授業で本の感…

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    マライ・メントライン
    (よろず物書き業・翻訳家)
    2023年5月5日9時0分 投稿
    【視点】

    けっきょく「議論」と「論争」の区別が無いまま日々暮らしている大人の多さが、こういう残念な状況を生み出しているのだろう。 ひろゆき氏の姿勢というのはある意味、教養へのアンチテーゼまたはパロディとして最強だ。しかしアンチテーゼやパロディというの

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    増田ユリヤ
    (ジャーナリスト)
    2023年5月5日9時0分 投稿
    【視点】

    私自身、非常勤講師で担任を持つことはなかったが、10年ほど前まで高校の教壇に立ち、歴史や現代社会などを教えてきた。とかく、一方的になりがちな授業で、いかに生徒たちに自由に発言しやすい雰囲気をつくるか。それが一番の課題で、毎年新学期の最初の一

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