平等院鳳凰堂、970年前の「荘厳」に迫る 堂内はいかに飾られたか
小西良昭
平等院(京都府宇治市)に鳳凰堂(ほうおうどう)が建てられたとき、本尊を安置する内部はいかに厳かに飾り立てられたのか。今年で建立970年を記念し、創建当初の堂内の装飾「荘厳(しょうごん)」に迫る特別展が、境内にある平等院ミュージアム鳳翔(ほうしょう)館で開かれている。
鳳凰堂は平安時代の関白、藤原頼通(よりみち、992~1074)が父道長の別荘を寺にした翌年の1053年、境内の池の島に建てた阿弥陀(あみだ)堂。外観は鳳凰が翼を広げた姿を模したと言われ、10円硬貨に刻まれることでも知られる。
「きらめきの荘厳」と題した特別展は、年3期で構成。第1期のテーマは「浄土の荘厳と宝相華文様(ほうそうげもんよう)」で、本尊・阿弥陀如来坐像(にょらいざそう)の頭より上にあり、柱の間を横につないで補強する「長押(なげし)」から上の飾り付けに注目した。
長押より下には、壁扉画や柱…
- 【視点】
この記事を読んで、2007年に京都国立博物館で開催された「藤原道長」展のことを思い出した。それは道長の金峯山参詣から千年を記念して企画されたもので、<この世をば我が世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば>の「この世は自分のためにあるよう
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