国会を変える「あかさたな」 時間を止める「当事者」がいる意味
その国会議員が投じた一石は、見慣れた審議風景に変化を生じさせた。車いすで登壇すると議場は静まり、響き渡る「あかさたな」。誰もが政治に参加できる環境に向けて、時間を止める「当事者」がいる意味とは――。
4月20日午後4時過ぎ、参院厚生労働委員会。れいわ新選組の天畠(てんばた)大輔参院議員(41)が車いすで秘書と介助者に付き添われながら質問者席に着いた。まもなく、委員会室に介助者の声が響いた。
「あかさたなはまやら、ら行のらりるれ、『れいわ新選組』? あかさたな、『の』? あかさた、た行のたちつて、『天畠』? 『大輔です』? あっていますか?」
2022年夏の参院選で初当選した天畠氏は、四肢まひや発話障害、視覚障害、嚥下(えんげ)障害とともに生きている。国会審議では介助者が「あ、か、さ……」と呼びかけ、天畠氏の右腕の反応から「か」と読み取ると、「か、き、く……」と言葉を確定させながら質問につなげていく。
■質問を作るまでのハードルと…
- 【視点】
天畠大輔さんと出会って10年になります。 天畠さんが介助者と過ごす日常に魅せられ、昨秋には、「現場へ! 介助者と拓く」を5回配信しました。(1回目は、https://www.asahi.com/articles/ASQ9Y5F1QQ
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