農業の環境負荷、減らす機運高まる 日本もEUも「有機25%」

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初見翔
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 農業による環境への負荷を減らす機運が世界的に高まっている。農薬や化学肥料の削減で欧州連合(EU)が先行するなか、日本も有機農業を全体の4分の1まで広げる目標を2021年に定めた。国際的なルールづくりをめぐる綱引きも始まっている。

 「将来世代に向けて新たな一歩を踏み出したという強い意志を示せた」

 宮崎市で開かれた主要7カ国(G7)農相会合が閉幕した4月23日の共同会見で、野村哲郎農林水産相は胸を張った。閣僚声明では、全28段落を通して持続可能な農業の重要性を強調し、「温室効果ガスの削減」や「生物多様性の保全」などを改めて打ち出した。

 農水省によると、温室効果ガス排出全体に占める農林水産分野の割合は、日本は4%ほどだが、世界では約4分の1にのぼる。気候変動対策の国際ルール「パリ協定」などでめざす排出量の削減には農業分野の取り組みが欠かせない。さらに温暖化や生物多様性の損失は、農業生産そのものに深刻な影響を与えるとの危機感もある。

 日本は21年、50年までに二酸化炭素の排出ゼロや有機農業の面積を25%に拡大することなど14の目標を掲げる「みどりの食料システム戦略」をつくった。G7農相会合のセミナーで野中厚副大臣が説明したほか、本会合でも野村氏が家畜排泄(はいせつ)物の肥料利用が広がっていることをPRした。

 こうした取り組みで先行する…

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