この日を待ってた トロッコ電車、にぎやかに出発
竹田和博
黒部峡谷(富山県黒部市)に春の訪れを告げる「トロッコ電車」の今季の営業運転が20日、一部区間の宇奈月―笹平間で始まった。多くの観光客が訪れ、宇奈月駅はコロナ前のようなにぎわいに。乗客らは晴天の下、宇奈月温泉のおかみたちに見送られながら峡谷を望む旅に出発した。
トロッコ電車を運営する黒部峡谷鉄道によると、5月末までの予約は約7万1千人(4月19日時点)と、昨年同時期の約3倍。そのうちインバウンドは約2万1千人と、コロナ前の2019年を上回るという。
宇奈月温泉旅館のおかみでつくる「かたかご会」の浜田昌子(よしこ)会長(70)は開口一番、「勢いが全然違います」。この日を待ちわびていたといい、「温泉と各お宿のお料理も楽しんでいただきたい。仕事に励みます」と力強かった。群馬県高崎市の自営業、土肥(どひ)彰さん(61)は2回目の乗車。「瞬間的に見える峡谷の景色がいい。青々とした緑がきれいな、いまの季節がいいですね」と笑顔だった。
今年は宇奈月温泉の開湯100周年。周辺では様々なイベントが予定され、トロッコ電車の一部車両には記念ロゴマークを使ったヘッドマークが掲げられる。
29日の宇奈月―鐘釣間の開通に続き、5月6日には宇奈月―欅平間が全線開通する。(竹田和博)