「異形矢印」を愛する青年の宝探し ストリートビューで見つけ現地へ
いくつもの矢印がいろんな方向に伸びる。複雑な交差点の形状に応じて作られた道路標識。
その魅力に取り付かれ、全国を訪ね歩く。自ら「異形矢印」と名づけて撮りためたコレクションは、4千点を超えた。
「雨にも負けず風にも負けず、道路に立ち続け、真面目に実直に仕事をしているところが魅力。矢印がまるで生きているように見えて、いとおしくなる」
こう熱く語るのは、松江市の山﨑賀功(がく)さん(21)。島根大学に通う4年生だ。
交差点などでよく目にする、丸い青地に白い矢印で車の進行可能方向を示す「指定方向外進行禁止」の標識。
交差点につながる道路の本数や形状に応じて作られているため、その場所ごとにさまざまに違った標識が存在する。
直進や右左折といった単純な矢印ではないものを、独自に「異形矢印」と呼ぶ。
記事の後半では、撮りためた約4千点の異形矢印から選ぶ、山﨑さんのお気に入りベスト5を写真付きで紹介します。
そもそも標識の魅力にはまるきっかけは小学生のころ。両親が運転免許証を更新した際にもらってきた交通ルールの冊子を何げなく眺め、標識のページに目が留まった。
「いろんな色や形の標識があるのがおもしろくて、キャラクター性にひかれました」
初めて異形矢印と出合ったのは高校生のころ。自宅近くで偶然見つけ、「こんな標識があるんだ!」と驚いた。それをきっかけに、「もっと見つけたい」と全国をフィールドに探し始めた。
全国各地からどうやって探す?気が遠くなることも
異形矢印を探すために使うツ…
- 【視点】
マンホールマニア、給水塔マニアなど、日本人のわびさびの感性を感じさせる趣味がありますが、この異形矢印も着眼点が素敵です。矢印が人生の可能性の象徴にも見えてきます。目的意識や使命感が感じられるので、ただ映え写真を投稿するよりも、応援されたり
…続きを読む