来月避難指示解除の福島・飯舘村、未除染の復興拠点外も初めて対象に

大月規義
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 福島県飯舘村の帰還困難区域に指定されている「長泥地区」の一部で、5月1日午前10時に避難指示が解除されることが決まった。人が住めるように除染した186ヘクタールの特定復興再生拠点(復興拠点)だけでなく、帰還困難区域に指定された7市町村で初めて、除染していない拠点外の一部が解除される。

 村によると、長泥地区に住民登録している人数は1日現在、復興拠点に62世帯197人、拠点外に10世帯29人。このうち、避難指示解除に向けた準備宿泊には、3世帯7人が申し込んでいる。

 長泥地区では現在、コメや花の試験栽培が続けられている。村は、帰還はしなくても農作業などのために避難先と往復する住民は多いとみる。活動の拠点として、宿泊可能な集会所「長泥コミュニティーセンター」を3月末に完成させた。

 一方、拠点外は人が住まないことを前提に、除染を省いて避難指示を解除する方式を採り入れた。対象は0・6ヘクタールで「長泥曲田(まがた)公園」を造成した。敷地にアスファルトを敷くなどして、放射線の被曝(ひばく)対策は取っているという。

 今回の解除は帰還困難区域の面積の2割弱。残り約8割について杉岡誠村長は記者会見で「全域解除に向けた取り組みを進める」と話した。拠点外では、今回は解除の対象にならない場所に堆肥(たいひ)製造の施設も建つ予定で、改めて避難指示が解除される見通しだ。大月規義

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