震災当時3歳「記憶はないけど伝えたい」 高校生が伝承館の解説員に

原篤司
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 みやぎ東日本大震災津波伝承館(宮城県石巻市)のボランティア解説員に、仙台育英高校1年の菊田あかりさん(15)=同県名取市=が15日、認定された。高校生では初めてで、月に1~3回、土曜か日曜日に震災の被害や防災について書かれた展示パネルなどを紹介する。

 この日の認定式で、菊田さんは「私の話を聞いてくれた人が防災グッズを買う、といったきっかけになればうれしい」とあいさつ。早速、指示棒を手に来場者の前に立ち、自分が知って驚いたポイントなども盛り込みながら、高校の制服姿で展示を解説した。

 菊田さんは震災当時3歳。直接の記憶はないが、母方の祖母が名取市の閖上地区の出身で、親戚や知人が大勢犠牲になったことを中学生の頃に知り、震災や防災に関心を持った。ボランティア解説員の大学生第1号を伝えるニュースで、解説員の存在を知り、応募した。3月に2度研修を受けた。

 「上の世代から受け継いだ震災に関する情報を次の世代に渡す、架け橋的な存在になれるようがんばりたい」と菊田さん。同級生も最近、解説員に名乗りを上げてくれた。

 ボランティア解説員は、小中高校生と大学・専門学校生を対象に、東北大災害科学国際研究所(022・752・2140)と宮城県が募集している。(原篤司)

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